ここから本文です

京都や大阪の菓子メーカーがインバウンド需要で好調、増収企業の比率は近畿がトップ

2/9(金) 14:09配信

帝国データバンク

 2月14日のバレンタインデーを前に、チョコレート商戦が本格化している。欧米では男性から女性に花やギフトを贈る日とされているが、日本ではいつからか女性が男性に愛を告白する日と位置付けられ、チョコレートを贈る習慣が根付いている。バレンタインは、1年で最もチョコレートが売れることから、菓子メーカーや百貨店はバレンタインデーを商機と捉え、売り上げの積み上げに注力している。

 帝国データバンクは、2018年1月末時点の企業概要データベース「COSMOS2」(147万社収録)の中から、2016年度(2016年4月~2017年3月期)決算の年売上高が判明した国内菓子メーカー486社(年売上高10億円以上)を抽出し、売上状況、損益状況、地域別、業歴別について分析した。

増収企業の割合では近畿がトップ

1.2016年度に「増収」となった企業は260社(構成比54.9%)。インバウンド需要やネット通販で販売が好調に推移した

2.2016年度は「黒字」企業の割合は83.0%となり、全体の8割超を占めた。一方、「赤字」企業は17.0%となり、前年度比2.5ポイントの増加となった

3.増収企業の割合をみると「近畿」(59社、構成比65.6%)がトップ

4.業歴別では「50~100年未満」が211社(構成比45.5%)で最多。老舗企業が6割占めた

 国内菓子メーカー486社のうち、2015年度、2016年度決算の年売上高が判明した474社の動向を比較すると、2016年度に「増収」となった企業は260社(構成比54.9%)となり、増収企業が半数以上を占めた。近年は訪日外国人観光客の増加で、地方においても土産菓子の販売が好調に推移しており、インバウンドの恩恵を受けた企業が多く見受けられた。

 2016年度決算の損益状況をみると、2016年度は「黒字」企業の割合は83.0%となった。一方、「赤字」企業の割合は17.0%となっており、前年度比2.5ポイント増加している。近時は円高基調で原材料コストを抑えられた企業が多かったが、原料米やサラダ油、包装資材が上昇したことで影響を受けた菓子メーカーもあった。
 
 近年、会社の上司や同僚への「義理チョコ」需要が減退する一方で、女性自身が自分用に高級チョコレートを購入する人が増加している。「3000~5000円」の高級チョコレートが売れ筋で、百貨店や菓子メーカー各社は「オシャレ」「限定品」「インスタ映え」をキーワードに新製品や希少性の高いチョコレートで勝負を賭ける。ここ数年のトレンドとして、ネット通販で販売シェアを伸ばし売り上げに寄与した先もあったが、人件費の上昇や結婚式向け贈答商品の減少、さらには大手向けのPB商品案件を受注したものの、想定よりも製造原価が上がり、収益を圧迫するケースも散見される。

 現在、コンビニスイーツの台頭で顧客を奪われた菓子メーカーが増えており、今後もコンビニとの競合が予想される。さらに若年層の和菓子離れや菓子の職人不足の問題も抱えており、老舗企業の割合が多い菓子メーカーも安泰とは言えない時代に差し掛かっている。時代の変化にどう対応していくのか、菓子メーカーを取り巻く環境は甘くはなさそうだ。