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スマイルジャパン躍進のキーマン、GK藤本那菜 驚異の『93.75%』が拓いた成長と闘いの日々

2/10(土) 13:10配信

VICTORY

平昌オリンピック前最後の壮行試合を4戦全勝で終えた、アイスホッケー女子代表。出場国の中でランキング下位となる日本が、五輪での初勝利、そして初のメダルを獲得するための絶対条件、それはGKの活躍だ。世界選手権でベストGKに選出されたこともあるスマイルジャパンの絶対的守護神、藤本那菜が抱く、平昌への想いとは――。(文=沢田聡子)

華奢で可憐でありながら、氷上で風格を漂わせる日本の正GK

アイスホッケー女子日本代表にとり平昌オリンピック前最後の実戦となる壮行試合の最終戦、日本の先発ゴールキーパー(GK)藤本那菜は試合前のウォームアップをしていた。ゴール前の動きの反復練習で、足に着けた防具が氷に吸い付くように左右に動く。それは精密機械のような規則正しさだった。並外れた正確さで刻まれるその動きの背景には、藤本が長い年月をかけて地道に積んできた鍛錬がある。藤本が大事にしているのは、GKの基本であるパックに正対する姿勢だ。自らを「運動神経で反応できるタイプではない」と分析する藤本は、予測することで反応するスピードを上げている。その速さは練習と経験で決まるという。

壮行試合の第3戦で先発した日本代表の後輩GK小西あかねは、「那菜さんはすごく冷静で、多分緊張とかもあまりしないタイプ」とコメントした。また男子代表のGKであり、日本人として唯一NHLの公式戦に出場している福藤豊(日光アイスバックス)は、藤本を「ショートプレー(ゴールの周りのプレー)がすごく強そうなので、そこは強みなのかなと思います」と評している。

「例えば、ゴールの横からパスを出されてシュート、といったゴールの付近で起こるプレーの際の、ゴール周りの移動やセーブがすごく上手」

アイスホッケーのGKはゴーリーと呼ばれる。チームメイトを一番後ろから見守っていて戦況を常に把握していると同時に、個人競技の選手のような孤高の存在でもある。野球のピッチャー同様、そのプレーの出来不出来が勝敗を大きく左右するアイスホッケーのゴーリーには、一種独特の存在感がある。身長164センチで華奢な印象の藤本は街で見かけたら可憐な女性にしか見えないだろうが、防具を着けて氷に乗った瞬間から風格を漂わせる。

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最終更新:2/13(火) 19:27
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