ここから本文です

「『羽生に勝った』は誰でもわかる」 将棋・行方八段が語る絶対王者・羽生善治に勝つ意味

2/10(土) 12:01配信

AbemaTIMES

 今、将棋ファンが大一番を前にそわそわし始めている。理由は1つ。2月17日に行われる朝日杯将棋オープン戦準決勝、羽生善治竜王(47)と藤井聡太五段(15)の公式戦初対局だ。「永世七冠」「国民栄誉賞」と偉業だらけの絶対王者に、前人未踏の29連勝を成し遂げた天才中学生の対決に、ファンだけでなく現役棋士も楽しみにしている。行方(なめかた)尚史八段(44)も、その1人だ。「こんな楽しみな一局はそうそう見られるものではない」と語る行方八段に、羽生竜王と戦う棋士の思いを聞いた。

 プロ入りから33年目を迎え、なお第一線で活躍する羽生竜王。一時は勢いのある若手に押され、2017年に2つのタイトルを続けて失った際には、衰えを指摘する者も多かったが、年末には当時の渡辺明竜王からタイトルを奪取。史上初の「永世七冠」を達成し、「羽生なお強し」を印象づけた。

 他の棋士にとって憧れ、目標とされる羽生竜王と戦い、勝つことは、まるで意味が違う。行方八段は「初めて羽生さんに勝てたのは、プロになって十数年経った後。時間がかかったなという複雑な思いはありましたね」と苦笑いした。「僕らの世代は、羽生世代の1つ下。その世代は目標にしてきたので、勝てた時は大きな自信になりました。やっぱり『羽生に勝った』というのは、誰にでも分かりますからね」。もちろんタイトルを取れば、名は知れる。それでも羽生竜王に勝つということは、周囲に与えるインパクトが違う。だからこそ、非公式戦ながら初対局で羽生竜王に勝利した藤井五段の力には驚きを隠せなかった。

 行方八段自身も、非公式戦で藤井五段と戦ったことがある。結果は敗戦。「若き天才と戦えるということで、新鮮な気持ちで臨みました。公式戦のようなつもりだったんですが、あっという間に寄せられた。底知れぬものを感じましたね」と、中学生棋士のポテンシャルを認めた。さらに、直近では朝日杯将棋オープン戦で佐藤天彦名人に完勝した様子に「圧巻でしたね。いつの間にか盤面を制覇していましたから」と、その成長ぶりに思わずほほ笑んだ。

 両者の力を知るだけに、持ち時間40分、切れたら1分の早指し戦は「確実に1分将棋になる。そこでどんなラリーが繰り広げられるかですね」と激戦を予想した。「おそらく大きな差がつかずに秒読みになると思います。そこでどうなるか。羽生さんもこの大会で5回も優勝していますから、本当にどうなるか。観客席で見る方も幸せだと思いますよ」と声を弾ませた。

 藤井五段が羽生竜王に勝ち、再び「藤井フィーバー」を巻き起こすのか、それともここぞの勝負では全盛期の力を発揮する羽生竜王が意地を見せるのか。大注目の対局は2月17日、午前10時30分から始まる。

最終更新:2/10(土) 12:51
AbemaTIMES