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南ア大統領窮地 腐敗体制批判の与党内から辞任圧力

2/11(日) 7:55配信

産経新聞

 【カイロ=佐藤貴生】南アフリカでズマ大統領(75)に対する辞任圧力が強まっている。汚職など数多くの疑惑を抱えながら、持ち前の粘り腰で政治生命の危機を乗り切ってきたズマ氏だが、出身母体の与党、アフリカ民族会議(ANC)からも辞任するよう説得する動きが出ており、土俵際に追い込まれつつあるようだ。

 ロイター通信によると、副大統領でANC議長を務めるラマポーザ氏(65)は9日、「緊急の問題」があるとして行事への出席を取りやめ、ズマ氏との辞任をめぐる協議が山場を迎えたとの観測が出た。ラマポーザ氏は最近、ズマ氏と直接会談したとし、近く結論を出すとの意向を示していた。

 何度も苦境をくぐり抜けてきたズマ氏だが、腐敗した体制を批判するラマポーザ氏が昨年12月、ANCの議長選で勝利。任期終了を待たずズマ氏に退陣するよう迫ってきた。22日に不信任決議案の採決が行われることも決まり、これまでと違いANCの有力者の中からも賛成に回る者が出るといわれる。

 ANCは、アパルトヘイト(人種隔離)を終結に導いた立役者のマンデラ氏が議長を務めた名門政党。ズマ氏も17歳のときにANCに加わり、黒人解放運動の闘士として活躍した。しかし、権力を握るにつれて金権体質に染まった。

 ズマ氏は2009年に大統領に就任し、現在2期目(3選は禁止)。故郷の私邸を改修してプールや劇場、家畜の飼育場などを造ったが、裁判所は16年、公金を流用したとして総額2億5千万ランド(約23億円)のうち一部の返還を命じた。インド系富豪との癒着疑惑も浮上している。05年には兵器取引をめぐり多額の賄賂を受け取った疑いで副大統領を解任されたほか、婦女暴行の罪でも起訴された。

 南アは順調な経済成長を遂げ、中露などと並んで「BRICS」(新興5カ国)の一角を占めてきたが、ズマ氏の統治の下で失業率は28%に上り、若年層に限れば5割を超えるとの見方もある。経済低迷が民衆の暮らしを圧迫、反政府デモが日常化していた。

最終更新:2/11(日) 8:25
産経新聞