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スノボ鬼塚&麗楽 試される創造力、鍵握る滑りの難度&独自性

2/11(日) 9:30配信

スポニチアネックス

 ◇平昌冬季五輪 スノーボード・スロープスタイル

 【今日のツボ教えます】スノーボードのスロープスタイル(SS)は前回ソチ五輪から採用された。障害物を使うジブセクションと巨大なジャンプ台のセクションに分かれたコースで、滑りの難易度や独自性を争う採点競技。11日は男子決勝、さらに女子予選には鬼塚雅(19=星野リゾート)や岩渕麗楽(16=キララクエストク)らメダル候補が登場する。だがソルトレークシティー五輪ハーフパイプ代表でプロスノーボーダーの中井孝治氏(33)はSSは日本人向きではないかもしれないと言う。果たしてその理由とは?

 選手にたくさんの選択肢が用意されている。それぞれの個性やクリエーティブな発想が見られるのがSSの一番の魅力だ。

 今回のコースはかなり複雑で、W杯でこんな凄いコースは見たことがない。各セクションの間隔が狭いため、一つでもミスをすると勝てない。少し手をついただけでも、次のジャンプ台を飛びきるスピードがなくなってしまうからだ。斜めに傾いたジャンプ台が用意されたのも今大会の特徴で、通常の真っすぐに飛び出すものよりも難易度は高い。これを使えば回転数が少なくても高い評価を受けられるだろう。

 単発のジャンプで競うビッグエア(BA)では3回転の「1080」が現時点で女子最高難度。SSではつなぎが難しくなるため、2回転半の「900」まででも勝てる雰囲気はある。ただし五輪ということで思い切って1080まで仕掛けてくる選手がいるかもしれない。その辺りの戦略も鍵になる。

 金メダル争いはソチ五輪金メダルのジェイミー・アンダーソン(27=米国)とBAで特に強いアンナ・ガサー(26=オーストリア)が中心だ。対する日本勢は3年前に世界選手権を制した鬼塚や今季W杯で2位になった岩渕。彼女たちもBAでは1080まで出す力がある。それをどこまで出し切れるか。

 ただしどんなに高難度のジャンプを飛んでも、ジブセクションがあるのでそれだけでは足りない。レールは途中で落ちずに最後まで乗り切ることがポイント。真上に乗るのが基本になるが、より難しい斜めに当てていく乗り方もある。さまざまな要素を組み合わせた演技構成と流れが大事になる。

 日本人は追求型なので、ジャンプの回転数や精度を上げるのは得意。だがジブは毎回形が異なり、0を1にするようなクリエーティブな才能が求められる。外国人選手の方がジブはうまい選手が多いし、日本人はハーフパイプやBAの方が向いているかもしれない。SSをご覧になった方はどう感じるだろうか。

 大会終盤にはそのBAが控えている。実力者のケイティ・オーメロッド(20=英国)が公式練習中のケガで欠場したが、男子でも怖さを感じるような難しいコース。日本勢は先のことも考え、まずは無理をしてケガをすることのないようにしてほしい。(02年ソルトレークシティー、06年トリノ両五輪代表、プロスノーボーダー)