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柴田亜衣氏 スマイルJに慌てず、焦らず、諦めず「1点」を積み重ねて

2/11(日) 10:30配信

スポニチアネックス

 ◇平昌五輪 女子アイスホッケー1次リーグ 日本1―2スウェーデン (2018年2月10日)

 【メダリストは見た】アイスホッケーの試合を見たのは今回が初めてでしたが、ずっとテレビの前で大声を出して応援していました。いきなり失点をした時は、チーム全体がまだちぐはぐな感じなのが私にも分かりました。でもその後にしっかり持ち直して同点に追いついて、これならいけると思ったのですが…。スマイルジャパンの皆さん、本当に残念でした。私も悔しいです。

 私は中学も高校も学校で泳いでいるのは一人だけだったので、鹿屋体育大に入るまではリレーの経験もありませんでした。だから大学に入って出たインカレで、初めてチームとして戦った時は本当に楽しかったです。泳ぐということ自体は変わらないけど、リレーで泳ぐときは私も他の選手もみんな凄く盛り上がって、プラスアルファの力が出せたような気がします。今でもいろいろなところで「一番好きな大会はインカレ」と公言していますからね。一人じゃなく、みんなで力を合わせて強敵のスウェーデンと戦っている選手の皆さんが本当にうらやましかったです。

 日本は前回のソチ五輪では一度も勝てなかったそうですね。見ていてもスウェーデンとの体格差は歴然で、1勝するのは本当に大変なことなのだと改めて感じました。私もアテネ五輪の前は、金メダルを獲れるなんて夢にも思っていませんでした。まずは400メートルと800メートルで標準記録を破って五輪に出ること。世界選手権では決勝に残れなかったので、五輪に出て決勝に残って自己ベストを出すというのが一番の目標でした。世界のトップと勝負するなどという気持ちは全くなくて、結果的に金メダルを獲った時は私が一番驚いたほどです。

 スマイルジャパンの皆さんも、世界との差はほんのわずかなんだと思います。日本はチャンスが何度もあったのにものにできず、スウェーデンはそのチャンスをものにした。逆の結果になっていてもおかしくなかったのでしょうから、ぜひ次のスイス戦では念願の1勝を挙げてほしいと思います。

 メダルは一番の目標ですが、まずは1つ勝つことが大切です。私は子供の頃から大会ごとに目標を立てて、一つ一つクリアしていきました。大学に入ってからは1年ごとにタイムなど細かい目標を設定して、それをクリアすることで自信をつけていきました。いきなりメダルとかではなく、1点を取ること。1つ勝つこと。1つ勝ったら2つ勝つこと。そうやって小さい目標を積み重ねていけばきっと素晴らしい結果が待っているはずです。

 アテネのレース前、鹿屋体育大の田中孝夫先生から「慌てず、焦らず、諦めず」というアドバイスをもらって金メダルにつなげることができました。初戦は黒星でしたが、まさに「慌てず、焦らず、諦めず」です。頑張れ、スマイルジャパン!

 私も毎試合、テレビの前で精いっぱい応援します。

 ◆柴田 亜衣(しばた・あい)1982年(昭57)5月14日、福岡県生まれ、徳島県出身の35歳。3歳から水泳を始め、04年アテネ五輪では競泳女子800メートル自由形で優勝。日本競泳史上初の女子自由形で金メダルを獲得した。400メートル、1500メートル自由形の日本記録保持者。08年に現役を引退。現在は水泳教室や講演会など幅広く活動中。