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北方領土返還は二島?四島? 安倍首相の発言から読み取れること

2/11(日) 18:30配信

ホウドウキョク

安倍首相が日露間で平和条約がないことを異常な状態と述べ、そういった状況に自身とプーチン大統領で終止符を打つと語った。

択捉島はどんな様子?四島返還されるのか?

日露関係のこれまでと今後の可能性について、1855年の日露通好条約と1956年の日ソ共同宣言を用いて元外務省主任分析官・作家の佐藤優が解説する。

(聞き手:ニッポン放送『あさラジ!』高嶋ひでたけ)

2月7日は「北方領土の日」

高嶋:
2月7日に安倍首相は、「異常な状態に終始を打つ」と。プーチンさんとの首脳会談は何と20回を数えます。2月7日は『北方領土の日』という記念日だったんですね。

佐藤:
そうです。1855年のこの日に『日露通好条約』が結ばれて、初めて日本とロシアの間に外交関係ができました。係争する領土に関しては、択捉島と得撫島の間に国境線を引く。

これが一つと、あとともう一つはサハリン、樺太島は従来通り混住の地とする。この2つのことを決めた日です。

日本が北方領土、北方四島の返還の基礎としているのは1855年の『日露通好条約』なのですが、今回面白いと思ったのは、ある新聞が『日露和親条約』と書いている。こういう表現もありますが、普通使いません。政府は使いません。

『日米和親条約』で、『日露通好条約』なんです。ということは、「通好条約ですよ、通好条約ですよ」と政府や外務省は強く言っていない。この条約を強調すると四島返還になるからです。

高嶋:
そういう意味合いになるんですか。

佐藤:
そうです。なので安倍さんも今回、異常な状態だと言いますが、『四島返還』とは言ってない。

本当のニュースは『四島返還と言ってないこと』にニュースがあるわけです。昔は、『四島即時返還』あるいは『四島に関する帰属の問題を解決し平和条約を締結する』というようなことを中心にしていた。

ところが島の数にあまり言及しないということは、日露通好条約をベースとするのではなくて、1956年の「日ソ共同宣言」。そこには何が書かれているかというと、平和条約を作った後に歯舞群島と色丹島を日本に引き渡します。返還じゃないんです。これも、ロシアからすれば盗んだものは無いから返すものもない、プレゼントすると。

日本からすれば「あの戦争の終わりにどさくさに紛れて盗んだものではないか、けしからん。返せ」だから贈与じゃ貰えない。

「…それじゃ折り合いつけましょう、引き渡しというのはどうですか?」ということで、歯舞群島と色丹島がロシアから日本に来るのです。日本は返還と国内的に言えばいいでしょう、ロシアはプレゼントしたと言えばいい、お互いの国内説明については問わない。こういう条約があるのです。

このやり方に今、安倍さんが向かっているかなんです。そろそろ正直に、今「政府が狙っているのは二島返還なんだ」と言わないと、国民との間でもマスコミとの間でもギャップが生じてくる。

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最終更新:2/11(日) 18:30
ホウドウキョク