ここから本文です

<五輪ジャンプ>驚異的な成長 勢藤優花「沙羅と一緒に出られるなんて」

2/12(月) 8:00配信

毎日新聞

 4年前、「ジャンプは高校までにして看護師になろう」と考えていた選手が、驚異的な成長でノルディックスキー・ジャンプ女子の平昌五輪日本代表に駆け上がった。2月22日で21歳になる勢藤(せとう)優花(北海道ハイテクAC)。北海道上川町出身で、世界を引っ張る高梨沙羅(21)=クラレ=の幼なじみは「沙羅と一緒に五輪に出られるなんて思いもしなかった。あきらめず頑張って良かった」と12日夜に行われる大舞台に挑む。【江連能弘】

【インフォグラフで解説】ノーマルヒル、ラージヒルの違い

 2014年1月の雪印メグミルク杯。高梨が出場せず伊藤有希(土屋ホーム)が制した女子の部で、当時北海道・旭川龍谷高2年の勢藤は21人中13位と平凡な成績だった。だが1年後、同じ大会で1回目に最長の95メートルを飛んで1位で折り返すと、2回目に高梨には逆転されたが、伊藤を抑えて2位と躍進を遂げた。

 臆病で頑固。一歩を踏み出すまでに時間がかかるが、着実に前進を続けてきた。

 小学2年で地元の上川ジャンプ少年団に入ったが、1番小さな台のスタートゲートに座りながら怖くて何日も滑り出せなかった。大会で取材陣を見掛けると「テレビカメラが見ているから飛ばない」と棄権したり、カメラから逃げようとして転び、骨折したこともある。ただ、幼稚園のころから習ったバレエの影響か、バランスは良く、ジャンプはほとんど転ばず、練習も休まなかったという。

 高校2年まで目立った成績はなかった。看護師の母・明美さん(49)の勤務先の病院を職場体験で訪れた際、明美さんの同僚に憧れ、高校卒業後は専門学校に進み看護師を目指す予定だった。

 だが、14年ソチ五輪後の高校3年の春、実業団まで競技をした元ジャンプ選手が地元の指導陣に加わり、本格的な練習をしたことで才能が開花する。もてあまし気味だった168センチの長身を操れるようになり、助走速度も一気に向上。その冬、最高峰のワールドカップ(W杯)を皮切りに、世界ジュニア選手権、世界選手権と次々と国際大会に出場。進学を決めていた専門学校も専攻をスポーツ学科に切り替えた。以来、W杯メンバーに定着し、最高5位の好成績を収めている。

 成長するたびに増えたのが、悔し涙だ。今冬は世界のレベルが上がってきたとの焦りから、飛ぶのが怖いと思うほど思い悩んだ。しかし、1月の札幌、山形・蔵王のW杯などを通じて復調傾向にある。助走速度と着地のうまさは世界でもトップクラス。五輪でに上位に食い込む力を身につけている。

最終更新:2/12(月) 8:28
毎日新聞