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部品強度か整備問題か=空中分解、原因究明焦点―ヘリ民家墜落1週間・陸自

2/12(月) 5:35配信

時事通信

 佐賀県神埼市の民家に陸上自衛隊AH64D戦闘ヘリコプターが墜落し、女児が負傷、隊員2人が死亡した事故から12日で1週間。

 現場検証や目撃証言などから、主回転翼を固定するメインローターヘッドと呼ばれる部品が分解したことで羽根が外れ、突然揚力を失ったとの見方が強まっている。部品の強度や整備に問題がなかったかなどが原因究明の焦点となっている。

 ◇分散した主回転翼
 陸自などによると、ヘリは5日午後4時36分、所属する目達原駐屯地(佐賀県吉野ケ里町)を離陸。当初の計画とは逆方向の佐賀市上空を通る予備経路へ変更し、南西へ進んだ。同38分に管制と交わした通信からわずか5分後、駐屯地の南西約6キロで、真っ逆さまに落ちる機体が確認された。駐屯地の管制が呼び掛けたが、応答はなかった。

 4枚ある主回転翼の羽根のうち2枚は墜落した民家で、残り2枚は現場から約300~500メートルの水路でそれぞれ発見された。水路の2枚はいずれもメインローターヘッドの一部が付いた状態だった。この部品はボルトやピンで4枚の羽根をつなぐもので、事故では飛行中に根元から分解し、羽根ごと落ちたとみられている。

 ◇メーカーから聞き取りも
 事故機は、今年1月18日から2月4日まで定期整備が実施された。メインローターヘッドの交換もこの間に行われた。ヘッドは細かな部品の集合体だが、交換品は陸自が組み立てたものではなく、メーカーから納入した新品の完成品だった。ヘッドは1750時間飛行したら必ず新しいものに交換することになっている。AH64Dのヘッドの交換は配備以来3機目で、不慣れだった可能性もある。

 事故当日の離陸前の点検では、地上で羽根を回転させて振動の誤差を計測したり、ホバリングして操縦性能を確認したりしたがトラブルはなかったという。陸自は部品の強度に問題はなかったかメーカーからも聞き取り調査を行う。

 米国で起きたAH64の事故では、メインローターヘッドに隣接する部品で、回転翼の角度を変える「コントロール・ロッド」が破断し、墜落につながったケースもあったという。

 山崎幸二陸上幕僚長は今回の事故について「通常では考えられない。あらゆる角度から事故原因を分析し解明したい」と強調する。調査結果は4カ月以内に防衛相に報告する必要があり、回収したフライトレコーダーの分析を含め、原因究明を急いでいる。 

最終更新:2/12(月) 9:43
時事通信