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大洗、「神磯の鳥居」岩場危険 町、立ち入り禁止検討も

2/12(月) 4:00配信

茨城新聞クロスアイ

今年に入り、大洗町磯浜町の観光スポット「神磯の鳥居」近くで水難事故が相次ぎ、2人が亡くなった。現場は滑りやすい岩場のため、海に落ちる危険があるが、「インスタ映え」を狙うなど、岩に登って写真を撮る観光客が増えている。町は張り紙を掲示して注意を喚起するとともに、立ち入り禁止も視野に入れた対策を検討している。

痛ましい事故が続いた。水戸署と町消防本部によると、4日午後3時すぎ、観光に来ていた埼玉県本庄市の男性=当時(30)=が鳥居近くの海に転落、溺死した。岩と岩との間を越えようとして足を滑らせたとみられる。

1月21日にも、波にのまれた中学生の息子を助けようと海に飛び込んだ水戸市の女性=当時(53)=が溺れ亡くなった。町消防本部は「この場所で散発的に水難事故はあったが、短期間に連続して起こったのは記憶にない」とする。

町商工観光課によると、岩礁に立つ神磯の鳥居は、旅行雑誌にも度々取り上げられる観光名所。近年は、写真共有アプリ「インスタグラム」をはじめとする会員制交流サイト(SNS)に投稿するため、岩に登って景色を見栄えよく撮影しようとする観光客も増えている。ただ、天候によっては高い波が押し寄せ、足場も悪いため、「地元の人は岩には登らない」(町担当者)という。

町は2件の死亡事故を重くみて、急きょポスターを作成、付近の堤防に貼り出し、岩に登らないよう注意を促している。町担当者は「今後も事故が続いたり、鳥居に近づく人が減らなかったりすれば、残念ながら現場を鎖で囲むなどして、立ち入り禁止にすることも検討しなければならない」と話し、県茨城港湾事務所大洗港区事業所などと協議する考えを示す。

一方、町内の宿泊業者からは安全と景観保全の両立を求める声が聞かれる。同町磯浜町の割烹(かっぽう)旅館「肴屋本店」代表で、大洗観光協会の大里明会長は「注意喚起は必要」と理解を示しつつ、「事業者にとっても大切な観光資源。景観が悪くなる対策は困る」と懸念している。 (鈴木剛史)

茨城新聞社