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京都市営地下鉄、健全化団体脱却へ 好調バスと連携が鍵

2/12(月) 17:40配信

京都新聞

 京都市営地下鉄は2017年度で経営健全化団体から脱却する見通しとなった。実現すれば目標年度から1年前倒しとなる。市交通局は、市営地下鉄事業の18年度予算案で、開業年度の1981年度以来となる経常黒字予算案を組んだ。ただ、累積資金不足は317億円に上るなど厳しい状況は変わらない。好調な市バス事業との連携をどこまで強化できるかが再生の鍵を握りそうだ。
 経営健全化団体は、自治体財政健全化法に基づいて指定され、経営健全化計画の策定を義務付けられる。市営地下鉄は全国の公営地下鉄で唯一、2009年度に指定を受けた。
 18年度は、経営健全化団体からの脱却を前提とした予算案編成によって、市が17年度に64億円を負担していた経営健全化対策出資金が解消するなど、市の18年度一般会計当初予算案にも大きな影響を与える。
 経営健全化計画では、1日乗客数を09年度実績から5万人増の37万5千人に引き上げる目標を掲げた。観光客の増加に伴って利用が増えたほか、推進本部による全庁的な増収増客の取り組みが奏功し、1日乗客数目標は予定より2年早く、16年度に達成していた。
 17年度の1日乗客数も想定を上回る見通しで、18年度は39万3千人と見込む。駅構内のスペースを物販などに活用する「駅ナカ」ビジネスも収益の柱に育ちつつあり、10億円を突破する見通し。
 しかし、独り立ちには時間がかかりそうだ。日常の運転資金不足額にあたる累積資金不足を解消するには、乗客数を高水準で維持する必要があるが、観光客の動向は読みにくい。企業債などの残高は18年度末に前年度末に比べ100億円超減らす方針だが、それでも3553億円と全国の公営地下鉄の中で最悪の水準だ。今後も車両新造や設備更新で多額の費用が必要で、削減は容易ではない。
 市交通局は、経営健全化の歩みを着実にするため、「経営や運用などの面で市バスと連携を深める」戦略を描く。
 市バスは観光客の需要がおう盛で、市営地下鉄を上回る増収に沸く。市バス事業会計は18年度の資金剰余金が35億円に上り、積み上げた利益剰余金は90億円に達する。17年度からは市営地下鉄事業への出資を始めており、18年度は13億4300万円を充てる。
 市交通局は、市営地下鉄と市バスを一体的にとらえて相乗効果を生み出す今後10年間の新経営ビジョンを18年度に策定する。
 また今年3月のダイヤ改正では、市バスの1日乗車券を値上げする一方、市営地下鉄も使える1日乗車券は値下げし、市バスから地下鉄に乗客を誘導する。18年度は、JR京都駅に向かう市バスの乗客が地下鉄を無料で乗り継げるようにする取り組みを拡充する。東山や金閣寺周辺の乗客を地下鉄につなぎ、市バスの混雑緩和と地下鉄の増客の一石二鳥を狙う。

最終更新:2/12(月) 21:42
京都新聞