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<野党>皇室論議、息合わず 民進分裂で論客も分散 

2/12(月) 19:22配信

毎日新聞

 安定的な皇位継承について、政府に取り組みを求める野党の足並みがそろわない。天皇陛下の退位を実現する特例法では民進党の主張がある程度反映されたが、昨年10月の衆院選による民進党の分裂で、皇室問題の論客が各党に分散。退位の時期が近づく中、皇室に関する国会での問題提起が低調な要因となっている。

 希望の党の津村啓介氏は5、6両日の衆院予算委員会で「今すぐ議論しなければ天皇家が途絶えてしまう」と訴えた。秋篠宮さまの長女眞子さま(26)の結婚は延期されたが、現行制度では将来の皇族が秋篠宮さまの長男悠仁さま(11)だけになる可能性がある。津村氏は、女性皇族が結婚後も皇室に残る「女性宮家」の創設を安倍晋三首相に求めた。

 首相は「いろいろな意見があり、国民のコンセンサスを得るために十分な分析と慎重な手続きが必要」と従来の答弁を繰り返した。

 一方、特例法の事前協議では、民進党の主張に政府・与党が譲歩を余儀なくされる場面もあった。当時の野田佳彦幹事長は、首相として女性宮家創設の論点整理をまとめるなど皇位継承に関心があり、退位の制度化にこだわった。結果として「退位は一代限りだが将来の先例となる」と与野党が歩み寄った。付帯決議にも民進党が主張した「女性宮家の創設等」の文言が入った。

 ところが民進党分裂で、党内議論を主導したメンバーが4党派に分散。幹事長として他党との調整をした野田氏は衆院会派「無所属の会」へ。党の皇位検討委員会委員長で、野田政権の官房副長官だった長浜博行氏は民進に残った。事務局次長だった山尾志桜里氏は立憲民主党に衆院選後に入党。同じく次長で希望入りした津村氏と進路が分かれた。事務局長の馬淵澄夫氏は希望で立候補し落選した。

 立憲の枝野幸男、希望の玉木雄一郎の両代表は、安定継承の検討組織を新設するとそれぞれ表明したが、具体的な動きはない。野党の存在感が低下する中、個々の議員が国会質問する状況だ。検討委の元メンバーは「これでは政権に迫れない」とため息をつく。

 分裂の余波は、昨年12月1日の皇室会議でも表れた。与野党の関係者によると、赤松広隆衆院副議長(立憲出身)が「年度末から5月の方が人の移動が激しい」と2018年12月31日の退位を主張した。ただ、民進出身の郡司彰参院副議長と連携した発言ではなかった。もともと衆院と参院の独立性が高いのに加え、所属政党が違うことも影響したとみられる。最終的に赤松氏も首相が示した19年4月30日退位案に従った。政府発表の議事概要にこの異論は記されなかった。【樋口淳也】

最終更新:2/13(火) 3:01
毎日新聞