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<政府>新元号、公表時期で苦慮 保守派に年明け論も

2/12(月) 19:27配信

毎日新聞

 2019年5月1日の皇太子さまの即位に伴って改める新元号について、政府は事前の公表時期をいつにするか苦慮している。コンピューターシステムの改修に配慮し、今夏ごろの公表を検討していたが、伝統を重んじる保守派からは現在の天皇陛下の在位中の公表への反発がなお強い。また、政府内でも、事前公表による新元号への賛否の議論の過熱を懸念する見方もある。自民党内では9月の党総裁選後が望ましいとの声もあり、「今秋以降」との声が強まりつつある。

 政府が事前公表を検討するのは、元号を使用する官民のシステム改修などの時間を確保するためで、一定の周知期間を置くことを考えている。これに対し、自民党の保守系議員は最近、複数の首相官邸関係者に「早く公表し過ぎると天皇陛下に対して失礼にあたるのではないか」と働きかけ始めているという。

 理由の一つに、19年1月7日に陛下が自ら執り行われる昭和天皇逝去30年式年祭がある。これと合わせて政府は陛下の在位30年の祝賀行事を実施するかを検討中だ。こうした行事より前に新元号を公表した場合、国民の関心が新天皇に移り、平成の時代を振り返ったり陛下の在位30年を祝ったりする雰囲気がそがれる、との意見が保守派に強まっている。

 天皇1代に元号一つと定めた明治時代以降、改元と天皇の代替わりが密接に結びついたことを保守派が強く意識しているのも背景にある。安倍政権としては、固い支持層の懸念には一定の配慮が必要だ。

 これとは別に政府内には「早く公表し過ぎると、改元の前から新元号に関する賛否の議論が起こる」(事務方)との懸念もある。平成への代替わりの際に新元号への賛否が話題になったが、発表と改元がほぼ同時だったためすぐ沈静化した。事前公表して、新元号に不満が出た場合、祝賀ムードに水を差す可能性がある。

 また、政治日程との関連では、「静かな環境が望ましい」(自民ベテラン)との見方から、自民党総裁選後の公表を求める声も出てきた。さらに、安倍政権が年内の憲法改正発議を目指せば、秋の臨時国会は与野党対決色が高まる。公表もそうしたムードに左右される可能性がある。

 首相は1月15日、訪問先の欧州で記者団に「まだ白紙だが、いつ発表するかは国民生活への影響も考慮しながら考えたい」と述べるにとどめている。【竹内望、松倉祐輔】

最終更新:2/12(月) 21:18
毎日新聞