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「景気が強い」は「株価が戻る」ではない!

2/12(月) 12:20配信

投信1

「ファンダメンタルズは安泰」でも、株価はさらに下落するかも知れないから要注意だ、と久留米大学商学部の塚崎公義教授は警鐘を鳴らします。

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ファンダメンタルズは強い

今次の株価急落でも、米国の景気は揺るぎません。むしろ、懸念材料が取り除かれて、米国経済は安定度が増した、と筆者は考えています。つまり、「米国株価のファンダメンタルズは安泰である」ということです。

長期金利が上昇して景気の過熱を抑える自動調節機能が健全に作用していること、株価については割高感が示唆するバブルの芽が早期に摘み取られたこと、などが安心材料となっているのです。これについては拙稿『株価下落でむしろ安定した米国経済』をご参照下さい。

日本経済に関しては、株価の急落はそれほど景気に影響しないでしょう。日本の家計はそれほど株を持っているわけではありませんし、そもそも1年前より株価が高いわけですから、損失を抱えている個人投資家はそれほど多くないはずですから。

日本経済にとって、現状で最も重要なのは米国の景気です。国内要因だけ見れば、景気は上を向いているため、そのまま拡大を続ける力が働くでしょうし、日銀による引き締めはあり得ませんし、バブルの崩壊もなさそうです。つまり、米国の景気が安泰で輸出激減がないならば、日本の景気も安泰なのです。

「景気が拡大すれば株価が上がる」とは限らない

景気が拡大すれば、企業の利益も増えていきますが、その増加ペースは次第に緩やかになっていきます。増益率が下がる一方で、長期金利は上昇するので、「株より国債を持ちたい」という投資家が増えるかもしれません。

増益率と長期金利の上昇スピードの関係によっては、景気が拡大を続けると株価が下がる、といった可能性もあるわけです。増益率が下がる理由は以下のとおりです。

景気回復の初期は、「社内失業者」が大勢いるので、彼らの尻を叩けば追加の人件費なしで生産が増やせるわけです。設備稼働率も低いので、設備投資も不要です。加えて、前年同期の利益額が小さいので、増益率は非常に高くなる場合が少なくありません。

景気が回復してくると、増産するためには新しく労働者を雇ったり設備投資をする必要が出てきます。労働者を雇う際の賃金も上昇し、設備投資資金を借りる際の金利も上昇します。加えて、前年同期の利益額が比較的大きいので、増益率は下がります。

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最終更新:2/12(月) 13:30
投信1