ここから本文です

消防士がドローン習熟に奮闘 山火事の焼失面積も即座に測定 「先進事例」に国も注目

2/12(月) 7:20配信

西日本新聞

 大分県の中津市消防本部は、火事や自然災害の被害予測や分析、測量などに対応するため、小型無人機「ドローン」の活用法の研究を進めている。総務省消防庁も先進事例として注目しており、同本部は「いろんな事態に対応できるよう、隊員の習熟度もさらに上げたい」と意気込んでいる。市は3月定例市議会に、リアルタイムで現在より詳細な状況を確認できるモニター機材の導入を目指し、関連予算案を提案する方針。

⇒【画像】上空から被害状況を確認するドローン

 「左側に電線注意。そのまま上昇してください」

 1月25日、中津市今津の火事現場であった県警と合同の実況見分で同本部のドローンが登場。操縦班と現場での警戒監視班の2班に分かれ、トランシーバーでやりとりしながら、上空からの詳細な撮影を手際よく行っていた。

焼失面積を測定、誤差ほとんどなく

 2016年12月、市内に訓練施設を持つ企業が同市にドローン1基を無償提供。同本部は各課横断の隊員11人からなる特別チームを編成、訓練を開始した。17年1月、同市大新田で発生した林野火災鎮火後の事後調査を皮切りに、実際の現場での経験も経ながら練度を上げてきた。

 同年6月、9400平方メートルを焼いた同市耶馬渓町の林野火災では、衛星利用測位システム(GPS)機能を駆使し、焼失面積を測定。県警が後日、実際に測量した面積とほとんど誤差がなかったという。同本部消防課は「焼失面積の概算を即座に把握できることが実証できた。上空から見ることで、火勢の方向なども確認できた」と有用性を強調。同年7月の九州北部豪雨では、山国川の被害状況を5回にわたり調査。上空から現状把握のための撮影を行った。

 総務省消防庁も同本部のドローン活用策に注目。同庁によると、全国732の消防本部のうちドローンを導入しているのは70本部(17年6月現在)。そのうち実際に活用できているのは23本部しかないという。今後導入する自治体向けに、ドローンの仕様や活用策などを示した報告書をまとめる同庁は1月、都内で検討会を開催。同市は先進自治体の一つとして参加し、活用例などを紹介した。同庁は「九州北部豪雨の被災状況確認での活用法などが参考になった」と話す。

特別チームは月1回の訓練を徹底

 国土交通省は90日間に1回程度の飛行訓練を推奨しているが、特別チームは月1回の訓練を徹底している。本間靖英主幹は「出動時には墜落など決してミスが許されない。緊張感を持って運用・保守管理に当たりたい」と話す。

 同本部は今後、事後調査だけでなく、重大事案発生直後からドローン部隊が現場に駆けつけて円滑に支援する即応性も高めるため、機材整備を着実に進めていく方針だ。

西日本新聞社

最終更新:2/12(月) 7:20
西日本新聞