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アジカン後藤 “自腹”新人賞ノミネート10作を公開 「音楽の何か盛り上がれば」

2/12(月) 13:05配信

カナロコ by 神奈川新聞

 ロックバンド「アジアン・カンフー・ジェネレーション」のボーカル、ギターの後藤正文(41)が1月に新設した音楽新人賞「Apple Vinegar Award(アップルビネガーアワード)」の公式サイトが公開されている。サイト内では応募作品の中から、後藤がノミネートした10枚のアルバムを公表した。数人の審査員で決定する受賞作は3月に発表する。

 後藤は2017年に、新人賞を創設するという内容の夢を見たといい、「これは天啓のようなものではないか」と発起。「少しでも音楽にまつわる何かが盛り上がれば、意味があるんじゃないか」と話している。公募当初は自腹で10万円としていた賞金は、音楽家の坂本龍一らが賛同し20万円に増設された。ノミネートされた曲は、公式サイトで表示されているアップルストア、スポティファイ、ユーチューブなどで聴くことができる。

 第1回アップルビネガーアワードは、2017年に発売されたアルバムとミニアルバムを対象として作品を公募。「新人賞」と名が付いているが、対象は人ではなく、その年に生まれた「新作品」に贈られる。後藤は「10回くらいは続けたいなと思います」としている。

◆ノミネート10作品

▽東郷清丸「2兆円」 横浜市生まれのシンガー・ソングライター。「自分で値段をつけるなら2兆円」というアルバムは2枚組60曲入りで、1時間50分というボリューム。温かみがある歌声と、懐かしさがあるメロディーが耳に残る。51曲が並ぶディスクBには過去10年の間に制作した、映画・舞台用に書き下ろした音源などを収録した。

▽Awich「8」 沖縄出身の女性シンガー。前作から約10年ぶりに発表したアルバムは過去に、ギタリスト・MIYAVIのアルバムを手がけた、ヒップホップ界のカリスマ・Chaki Zuluがプロデュースを担当。ウチナーグチ(沖縄語)や英語などが混在する歌詞は、心地よい浮遊感を味わわせてくれる。

▽吉田ヨウヘイgroup「ar」 男女7人の大所帯バンドだったが、メンバーの脱退や活動休止を経て2016年10月に、男女4人組として再始動。ノミネート作品には、リスタート時の新曲「分からなくなる前に」も収められている。アルバムはスピッツの草野マサムネから「楽曲を構築するフレーズひとつひとつがステキ。中毒性があり、唯一無二の世界」と絶賛された。

▽JJJ「HIKARI」 ヒップホップ界に新風を巻き込む3人組。13曲中7作が別アーティストとのコラボレーション作品。瞬間に生まれた化学反応を大切にした楽曲は、新しい扉を開くようなわくわくがある。「KC all day」というフレーズ出てくる「ORANGE」は、地元が同じ川崎のSTICKYとの共演作。KCは、KAWASAKI CITYの意味があるという。

▽ゆるふわギャング「Mars Ice House」 Ryugo Ishida、NENE、プロデューサーAutomaticにが2016年に結成したプロジェクト。ユーモアと毒が同居する世界観は唯一無二の魅力を持つ。ノミネートされた同作は、雑誌「ミュージック・マガジン」が選んだ「日本のヒップホップベスト100」にランクインした。

▽PUNPEE「MODERN TIMES」 ヒップホップMCなどとして活動。2017年1月に、宇多田ヒカルのシングル「光」(2002年)をリミックスした楽曲を配信した際は、全米iTunesチャートで、日本人アーティスト最高位の2位を記録するなど、話題を集めた。

▽Okada Takuro「Nostalgia」 2012年から15年まで、バンド「森は生きている」のリーダーとして活動していた岡田拓郎のソロ一作目。ギター、ピアノ、ペダルスチール、オルガン、オートハープ、バンジョーなどが生み出す柔らかい音は、心を柔らかくほぐしてくれる。後藤は、「岡田拓郎は、例えば『はっぴいえんど』と現在のインディロックのすき間を縫い合わせるような、日本の音楽の希望のひとつだと思う。こんなアルバム、僕も作ってみたい」と話している。

▽CHAI「PINK」 双子のマナとカナら4人が2013年に結成したガールズバンド。パンク、ロック、エレクトロなど変幻自在なリズムが人気。11曲入りで34分とスピード感ある「PINK」は、「世の中にある“かわいい”の価値観を変えていこう。女の子が抱えているコンプレックスを肯定していこう」と“NEOかわいい”を掲げて制作。「コンプレックスはアートだ」と独走を続けている。

▽Yogee New Waves「Waves」 2013年に活動を開始した男性4人組。シティ・ポップ・サウンドの再来と期待されている。ノミネートされた同作は、都会に生まれ、孤独を抱えて生きていく中で、生活の中に見いだした希望の芽を、等身大の言葉で歌い上げている。ことし3月14日に「SPRING CAVE e.p.」でメジャーデビューする予定。3月には国内と台湾や香港、タイをめぐるツアーを行う。

▽折坂悠太「なつのべ live recording H29.07.02」 鳥取生まれのシンガー・ソングライター。2013年からギターの弾き語りで活動を開始。ポップスの中に、ジャズや民族音楽のにおいを含ませた独特なスタイルで聴き手を魅了している。公式サイトでは、彫刻家・平櫛田中の旧邸で行った収録の様子を、映像で公開している。

◆Apple Vineger Award公式サイト(http://www.applevinegaraward.com/)