ここから本文です

日本代表に勇気を与えた佐藤綾乃の滑り/伊藤華英

2/12(月) 21:59配信

日刊スポーツ

 ピョンチャン(平昌)オリンピックがついに開幕した。

 競技が進むにつれ、オリンピックの雰囲気も高まってきている。

 スノーボード男子スロープスタイルで金メダルを獲得した17歳のレドモンド・ジェラード選手(米国)を初め、若手アスリートの活躍が目立つ。フィギュアスケート団体で日本は5位だったが、これからの個人戦への期待も高まる。

 印象的だったのは、2日目に行われた女子スピードスケート3000メートルだ。「日本人今大会初のメダル獲得なるか!」との前評判があった。結果は、高木美帆選手の5位が最高。オランダ勢が表彰台を独占した。

 そんな中、注目した選手がいる。12組中、3組目に登場した佐藤綾乃選手だ。

 オリンピックのような大舞台で、最初に登場する日本人選手はとてもプレシャーがかかる。その後の日本チームの雰囲気を決めたりする。

 夏季オリンピックでは、競泳、柔道などが大会期間の前半に行われる。競泳は開会式の次の日から競技が始まる。

 初日に泳ぐ選手は、大変ナーバスな状態だ。その結果が良ければ、一緒に練習してきたチームメイトも、仲間ができるなら私たちもできると感じられるものだ。それだけではない。ウォーミングアップからレース会場までの動線の中で、ここに注意した方がいいなど、さまざまなことをチーム内で伝えあいながら、競技は行われていくのだ。

 そんな意味を持つ日本人最初のレース。佐藤選手は4分4秒35の自己ベストで滑った。ここで出す自己ベストがいかに素晴らしいことか。私も現役時代「0・01秒でもベストが出すことが大事だ」とコーチから言われていた。

 次に滑る日本人選手に、大きな勇気を与えたレースだった。8位入賞した佐藤選手はこの後も、3000メートルとマススタート、チームパシュート(団体追い抜き)に出場予定だが、この1本目のレースが自信になっているに違いない。

 フィニッシュラインを過ぎた時に、彼女がガッツポーズをした姿が印象的だし、見ているこちらも、元気をもらった。

 この大舞台。

 ただの大舞台じゃない。オリンピックだ。世界が本気のこの大会。普通じゃダメだ。

 それぞれの役割、力をチームの中で発揮し、いい空気をチーム内に運んでほしい。

 まだまだ、大会は始まったばかり。いよいよ楽しみになってきた。

(伊藤華英=北京、ロンドン五輪競泳代表)

最終更新:2/19(月) 19:29
日刊スポーツ