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癒やしの仏像彫り30年 浜松の男性、復興願い被災地にも

2/13(火) 7:42配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 浜松市浜北区の古木忠夫さん(81)が地域の人たちの笑顔を願い、約30年にわたって木彫りの仏像や地蔵を彫り続けている。クスノキやヒバ製の地蔵は500体以上を彫り、一部は東日本大震災の被災地に届けた。「安らかな印象を与える仏像を見た多くの人が癒やされてほしい」と彫刻刀を握る。

 古木さんは製造業の仕事を退いた後、市内の彫刻教室に通った。在職中に見た写真集の仏像の豊かな表情に魅力を感じ、小学生のころ木彫り像を作った体験からも趣味にしようと決めていた。技術を磨き、自作の仏像を市内の寺へ贈ったり、地域の子どもに地蔵を配ったりして喜ばれた。

 寺所蔵の仏像修復にも携わるほどの腕前になったころ、東日本大震災が起きた。「亡くなった人を極楽に導くといわれる地蔵なら被災した人の慰めになるのでは」と古木さん。同市北区の実相寺に相談し、2012年10月に宮城県気仙沼市の地福寺を訪れ、片山秀光住職(78)に約10センチの地蔵100体を手渡した。同寺は慰霊祭などを通じ、被災した檀家(だんか)の遺族に地蔵を配ったという。片山住職は「多くの人が亡くなり苦しい中、心遣いがありがたい」と振り返る。

 古木さんは再び被災地に地蔵を贈りたいと思っている。現在は3~4カ月かけて15センチから1メートルほどの仏像を、1日1体のペースで地蔵を彫る。「復興を願い、生きている限り彫り続けたい」と語る。

静岡新聞社