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9条2項が改憲派を二分 維持か削除か 合同世論調査

2/13(火) 7:55配信

産経新聞

 憲法9条改正をめぐり、安倍晋三首相(自民党総裁)は戦力不保持を規定する2項を維持して自衛隊を明記する案を訴えているが、産経新聞社とFNNが行った合同世論調査では改憲賛成派が首相案と2項削除を求める案で二分し、自民党支持層も拮抗(きっこう)した。首相は国会答弁で希望の党などの取り込みに懸命だが、野党には2項維持を危険視する声もある。野党対策だけでなく、国民投票を見据えて国民の理解をどう得るかも大きな課題になった。「おかしさが際立ってきている。極めて危険だ」

 希望の党の玉木雄一郎代表は12日、岡山県倉敷市で講演し、首相の改憲案をこう批判した。玉木氏は、首相が5日の衆院予算委員会で自衛隊の合憲性は不変と述べたことを問題視し、「最初から合憲なら、改憲で自衛隊を明記する必要はない」とも述べた。

 玉木氏が批判のボルテージを上げるのは、首相が今国会で、2項維持がふさわしいとの考えを積極的に語るようになったからだ。

 首相は1月30日の衆院予算委で「2項を変えれば、書き込み方でフルスペック(際限ない形)での集団的自衛権が可能になる」と強調。さらに「(2項を維持する)私の提案では2項の制限がかかる」と語り、2項維持なら集団的自衛権は現行と同じ一部容認にとどまるとも訴えた。

 今月6日の衆院予算委では、9条に自衛権の範囲を明記すべきだとする希望の党の主張に「一つの考えとして十分成り立つと思う」と秋波まで送った。

 こうした発言の背景には、3月25日の自民党大会までに改憲案をまとめる目標を見据え、早期に自身の提案で9条の意見集約を図る狙いがある。2項を削除して集団的自衛権行使の範囲を拡大すれば無党派層や公明党の反発を招く懸念も強く、多くの政党の賛同を得ようと「最大公約数」のありかを探っている。

 しかし、首相の思惑と世論とのずれが今回の世論調査で表れた。自民党支持層で2項維持論が36・9%、2項削除論は38・7%だった。また、公明党支持層でも40・6%が「9条改正は不要」と答えるなど、改正そのものへの慎重論も強い。

 世論調査の結果は2項の削除を訴える石破茂元幹事長らを勢いづかせることになりそうで、自民党の意見集約は混迷しかねない。(千田恒弥)

最終更新:2/13(火) 7:55
産経新聞