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沖縄県内ホテルの人手不足 解決へ効率化、働きやすさを工夫

2/13(火) 7:19配信

琉球新報

 沖縄県内の雇用情勢は人手不足がいわれて久しい。県内経済はサービス業が占める割合が大きく、人手不足は業績に直結する。好調な観光業も例外ではなく、多くのホテルが常に人を募集している状態だ。観光客を呼び込むためにも差別化を図り、人材を質、量ともに継続的に確保しなければならない。社内保育所や雇用形態の変更、IT導入による業務効率化など県内ホテルは人材確保に工夫を凝らす。


■かりゆしは社内保育

 かりゆし(那覇市、當山智士社長)は今夏の開所を目標に、社内保育所の設立準備を進めている。幼稚園入園前の0~2歳を対象に最大で20人を預かる。暦通りに休みが取りづらく、勤務時間帯も幅があるサービス業にとって、子育てをしながらの勤務はハードルが高いとされる。

 かりゆしは社員の半分が女性で、社内保育所設置は社内でも念願だったという。社内保育所は日曜日を休みとし、子どもを預ける社員が日曜は勤務を外してもらうなどシフトが組みやすくなるよう配慮する。社外からの希望者も受け入れ、将来は病児預かりもできるようにする予定だ。60歳以上の復職希望者が増えていることを踏まえ、保育士の年齢制限も設けない予定だ。

 かりゆしの當眞梓総務部長は「社員、保育士両方の働きやすさを考えなければ、運営は継続しない」と述べ、両者の需要に応じることが不可欠と指摘する。

■ハイアットはITを駆使

 ハイアットリージェンシー那覇沖縄(那覇市、佐藤健人総支配人)は、ホテルサービスの中でもベッドメイキングを最重要と位置付け、多くのホテルが外注に頼る客室清掃業務を、新卒の社員12人とアルバイトの計70人態勢で行う。ハウスキーパーが足りず客室の稼働率を落とさざるを得ないホテルもある中、佐藤総支配人は「効率化を図らないといけない」と語り、客室清掃業務とITを連携した取り組みを進める。全部で294ある客室の入室状況や宿泊客の清掃希望時刻などを踏まえ、作業の優先順位を自動的に決めるソフトを導入し、作業する社員らは端末で確認する。ソフト導入前に比べ客の要望に添いつつ、全体の作業効率も向上した。ハウスキーパーの宮城ひなのさんは「個々のお客さまの希望に的確に応じられるし、端末を通しハウスキーパー同士の連携も取れている」と語る。

■パームロイヤルNAHA、離職率5%

 パームロイヤルNAHA(那覇市、高倉直久総支配人)は性的少数者(LGBT)が宿泊しやすいよう取り組む「LGBTフレンドリーホテル」を打ち出している。その取り組みが周知されることで働く側にも変化が出てきた。ホテルの姿勢に賛同して就労を希望する人が増え、LGBT当事者も仲介者を通して採用募集に応募するなど、希望者は後を絶たない。離職率も県内平均が20~30%台のところを5%台で推移する。インターネットの旅行サイトでは口コミ評価が30位台から7位に上昇し、業績も前年を大幅に上回った。

 高倉総支配人は「大規模ホテルには給与額でかなわないが、シフトや配置など働き方を柔軟に対応できる」と指摘する。子育て中の社員は基本給での雇用から、単価を上げた時給制に任意で変更でき、休みがより多く取れるようにした。子育てを終えれば、時給制から再び正社員に戻ることもできる。高倉総支配人は「今は会社が社員の働き方にどれだけ応えられるかが求められている時代だ」と強調した。(玉城文)

琉球新報社

最終更新:2/13(火) 10:14
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