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<米国>有償軍事援助、未精算1000億円超  

2/13(火) 7:30配信

毎日新聞

 日本政府が米国から防衛装備品を購入する有償軍事援助(FMS)を巡り、装備納入後も米側が日本から受け取った前払い金の精算をしていない取引が、昨年度末時点で1000億円を超えていることが分かった。米側は為替変動などを見込んで多めに前払い金を見積もる傾向があり、日本側がそれに応じているケースが大半で、年間数十億円にのぼる余剰金返還の先送りが常態化している。

 未精算取引額は一時減少したが、2015年度から増加に転じ、16年度末に1072億円となっている。会計検査院は1997年から2013年までに少なくとも3度、防衛省に精算を促進するよう求めている。

 未精算取引のうち、日米両政府が精算の努力目標としている「装備品納入後2年」を過ぎた取引額は623億円あり、6割以上を占める。日本側は働き掛けを続けているが、今年度も米側の精算手続きは進んでいない。FMSの総額は13年度の1117億円が16年度には4倍以上となり、4881億円に増加。今後さらに未精算額が増える可能性がある。

 FMSは米側の見積額を前払いするのが原則。ほとんどの契約では、精算後に過払い分が日本側に返還されるが、返還額は14~16年度は平均約53億円にとどまった。

 日本政府は05年度に、前払い分を預ける米連邦準備銀行の口座を無利子から有利子に切り替えた。余剰金返還が遅れた際の損失を軽減する措置だ。この結果、14~16年度には年平均約2億7000万円の利子が国庫に納付され、米側に利子負担が生じるようになった。防衛省は「米側への早期精算の働き掛けを強化したい」としている。【秋山信一】

 ◇有償軍事援助(FMS)

 米国が武器輸出管理法に基づき、同盟国や友好国に最新鋭の武器や装備品を有償で提供する契約。購入国は米国側の価格見積もりや、代金の原則前払いなど、米国が提示する条件を受け入れなければならない。米国政府は契約額の3.5%を「事務手続き経費」などの名目で得ている。会計検査院はこれまでも納入時期の遅延などの問題を指摘してきた。

最終更新:2/13(火) 11:03
毎日新聞