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平昌五輪 スノボ男子HPきょう予選 平野、究めた技

2/13(火) 7:55配信

産経新聞

 19歳の表情に4年前のあどけなさはない。スノーボード男子ハーフパイプ(HP)の平野歩夢(木下グループ)は競技生活、私生活ともに極限まで自分を追い込んできた。悲願の頂点に向け、13日の予選に出場する。

 ソチ五輪で銀メダルを獲得したとき、笑顔で表彰台に立ちながらこう思った。「4年後は4回転を連続で出さなければいけないな」。決勝で決めたのは縦2回転、横3回転の大技「ダブルコーク1080(DC10)」。一方、金メダルに輝いたスイス人選手が繰り出したのはさらに横に1回転多い「DC1440(DC14)」だった。金メダルを狙うならDC14の連続技が必要と考え、練習を再開した。

 技を磨くときは新潟県の実家にあるスケートボード場から始める。父、英功さんが作った巨大エアマットに板をはいたまま飛び、踏み切りや空中姿勢を動画で確認。マットで着地できるようになれば実際にコースで試す。この繰り返しで体に動きを染みこませた。

 この4年間で「一番の自信になった」といえるのが私生活の劇的な変化だ。海外遠征中など練習に集中したいときは「体が軽いし、そのほうが集中力が出る」と1日1食しか食べないようにし、飲み物はほぼ水しか飲まなくなった。「しんどい思いをしないと勝てない。だから人が気にしていないようなことにすごくこだわった」と振り返る。

 複雑な回転軸の技はけがのリスクも高い。昨年3月の米国での大会では技の着地に失敗し左膝靱帯(じんたい)などを損傷。約3カ月間リハビリに専念した。着地の安定には体幹強化が必要と考え、回数を決めず暇さえあれば腹筋をした。トレーナーに猫背を指摘されると、歩き方を見直した。昨夏、ソチ五輪以来初めて再会を果たした治部忠重コーチは、「今の自分を超えるために必要なものは何かというのが会話からすごく伝わってくる。人ってこんなに変わるのか」と驚いた。

 「五輪で目指すところはあと一つしかない。自分の目指す滑りで圧倒的に勝ちたい」。日本のエースが真価を発揮するときが来た。(岡野祐己)

最終更新:2/13(火) 7:55
産経新聞