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平昌五輪 美帆ついに真価 スピード女子1500「銀」

2/13(火) 7:55配信

産経新聞

 ■周囲に感謝 会心ガッツポーズ

 平昌五輪第4日の12日、スピードスケート女子1500メートルで、高木美帆(23)が期待に応え、銀メダルを獲得した。ノルディックスキー・ジャンプ女子、高梨沙羅(21)は銅メダル。メダル第1号はモーグルの原大智(20)で同じく「銅」を取り、女子に注目が集まっていたこの競技で、男子では初のメダルをもぎ取った。

 「会場まで来てくれた方々には感謝の気持ちでいっぱい。いろんな方に支えていただいたので、いろいろな、こみ上げてくる気持ちがあった」

 中学3年で2010年バンクーバー五輪に初出場し「スーパー中学生」として脚光を浴びた“天才肌”が、ようやく最高の舞台で才能を発揮した。1500メートルで「銀」を決めた高木美帆は、最初に周囲への感謝の言葉を口にした。

 くすぶる時期もあった中、自身を支え続けたのは、たぐいまれな「先を見据える力」だ。

 「とにかく地元では有名だった」。北海道帯広南商業高校(帯広市)スケート部で監督として指導した東出俊一さん(61)は、子供のころの高木をこう振り返る。道南東部の幕別町で幼少時からスケート靴を履いた。小学生時は出場レースがあれば地元紙に「大会新」の文字が載った。

 シーズン外は他の競技でも能力を発揮し、中でもサッカーは、中学時代に部活動で男子に交じってフォワードのレギュラーとして活躍。15歳以下の女子日本代表候補になるほどだった。

 高木の“強さ”はどこからくるのか。東出さんはその秘密を「先を見据え、何が必要かを自分で考えて行動する力」と指摘する。

 常にメモ帳をそばに置き、自分で気づいたことや人に言われたことなど、必要と感じたことは何でも書き留める。そんな「メモ魔」は、強くなるための道筋を自分で立て、実行する力がずば抜けていた。

 高校時代、海外を含め年間60レースに出るようになった際も、東出さんは「体がつぶれてしまう」と懸念したが、高木は「今のうちから経験しておきたい」と聞き入れなかった。今では1日2種目出場する大会もあり、平昌五輪でも5日間に3レースを滑る。東出さんは「現在のような状況を当時から見通していたということ」と脱帽する。

 順位が1位だろうと、納得できる走りができない限り、ガッツポーズをしないという高木。東出さんは高木がゴール直後に両腕を突き上げる姿を見て、「もうちょっと上に行けたらとは思ったけど、自分なりに満足できたんじゃないかな」とねぎらった。

 「スケートを始めたころは、ここまでになるとは思わなかった」。会場で声援を送っていた高木の父、愛徳(よしのり)さん(60)は娘がメダルを取った瞬間、喜びに震えた。そして「今日はよくがんばった。まだ五輪は続くので気を引き締めて一戦一戦がんばってほしい」と、次戦に向けエールを送った。(福田涼太郎、平昌 桑村朋)

最終更新:2/13(火) 7:55
産経新聞