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<五輪スケート>流した涙「次こそ」美帆、無念の銀

2/13(火) 12:17配信

毎日新聞

 平昌五輪第4日の12日のスピードスケート女子1500メートルは、銀メダルの高木美帆(日体大助手)が1分54秒55。今大会初レースに臨んだ1000メートルの世界記録保持者の小平奈緒(相沢病院)は1分56秒11で6位だった。

【9年前から振り返る】高木美帆の軌跡

 喜びか悔しさか。レース後に見せた涙の意味を問われた高木美は「悔しさの方が強いですね」と苦笑いした。最も有力視された種目での頂点は、2010年バンクーバー五輪女王のブストにさらわれた。ただ、その差は0秒20。間違いなく世界トップにいることは証明した。

 スタートでフライングを取られたが、プラスに考えた。「雑念があった。『落ち着け』ということなのかな」。やり直しのスタートはやや慎重な出足だったが、世界記録保持者のベルフスマ(米国)と序盤から高速レースを展開。終盤までペースを崩さず、最後はバテた相手に大きな差を付けた。

 悪癖を克服したことが、メダルの要因になっている。昨季は個人種目でワールドカップ(W杯)初優勝を果たした飛躍の1年になったが、疲れが出る後半に低い姿勢を保てない課題が残った。上半身のぶれを防ぐには足腰を鍛えなければならない。管理栄養士の指導で食事も改善し、筋肉の質を高めた。心がけたのは「筋力を落とさず、脂肪を落とす」こと。以前は「丸かった」という太ももは前と後ろの必要な部分に筋肉がつき、レース中の脚の運びがスムーズになった。

 この日は3組前に滑ったブストにはわずかに及ばなかったが「数年前みたいにかなわない相手という意識は全然ない」。そのブストは、最終組の高木美のレースを見ながら「コーチが隣で『(高木美は)速い! 速い!』と言っていたのでドキドキだった」と、心中穏やかでなかったことを明かした。

 次に待つ1000メートル、団体追い抜きで階段をもう一つ上る準備はできた。「もっといいレースをしてやるぞ、という気持ちですね」。涙が乾いた目はぎらついていた。【岩壁峻】

最終更新:2/13(火) 20:42
毎日新聞