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メダル1号はモーグル原!亡き師にささぐ銅「いい報告できるかな」

2/13(火) 6:01配信

スポニチアネックス

 ◇平昌冬季五輪 フリースタイルスキー男子モーグル(2018年2月12日)

 男子モーグルにニューヒーローが現れた。原大智(20=日大)がメダルを懸けて6人で争う決勝3回目に82・19点をマークして銅メダルを獲得。男子モーグルの日本勢の表彰台は初めてで、今大会の日本選手団のメダル第1号となった。14年ソチ五輪銀メダルのミカエル・キングズベリー(25=カナダ)が86・63点をマークして金メダルを獲得した。

 20歳の若武者がモーグルの歴史に新たな一ページをしるした。決勝3回目、両手を広げてゴールした原は、運命のスコアを待った。82・19点はモーグルだけでなく、フリースタイルで日本男子初の表彰台、そして日本選手団の平昌メダル第1号。「頭が真っ白になって。“3位、3位”ってつぶやきながら、頭の中は“やった!”って気持ちであふれていたと思う」と振り返った。

 9日の予選では1番スタートに「緊張を通り越して吐きそうだった」と話していたが、決勝2回目をトップで通過し、3回目は6人中、最終滑走。「ミスる気は全くしなかった。早く滑りたいとしか思っていなかった」。エアの得点は低くても「顔を上げて前に前に」という意識で、抜群のターンを披露。W杯は過去最高が4位で今季は9位止まりという伏兵だったが、大一番で輝いた。

 小学6年生でモーグルを始め、中学卒業後、モーグル強豪国のカナダに留学。「詳しく言えるほど覚えていないくらい、つらかった」。どっしりした下半身から、板の先を下へ、下へと向けて加速する滑りとともに、異国で手に入れたのは強じんなメンタルだ。「カナダで精神的に鍛えられて、精神力がここで発揮されたのかな」と話した。

 1学年下で昨季の世界選手権を制した堀島行真(中京大)の活躍が、ハートに火を付けた。世界選手権で原は23位。悔しさから「1カ月はふさぎ込んだ」と言う。高難度のエアを武器に世界の頂点に駆け上がったライバルに対し、「今は劣っているが、必ず勝てる日が来る」と自らに言い聞かせて日々、汗を流した。決勝2回目で散った堀島の分まで、夢舞台で躍動した。

 13年8月、師事していた平子剛さんが27歳の若さで死去。「まだ若いのに…」。現実をなかなか受け入れられず、号泣した原は誓った。「五輪に出て金メダルを獲る」と。雪が舞う中、少しだけ天国に近い表彰台に上がった。「メダルの色は金じゃなかったけど、いい報告ができるかな」。ニューヒーローは誇らしげに胸を張った。