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コンビニが大雪でも営業継続にこだわる理由

2/13(火) 18:00配信

ITmedia ビジネスオンライン

 記録的な大雪に見舞われている福井県は自衛隊に災害派遣を要請せざるを得ないほどの状況に陥っている。

福井県の西川知事は企業活動の自粛を訴えた

 道路の混雑や除雪作業への悪影響を避けるため、福井県の西川一誠知事は2月12日に「各企業においては、県民生活の維持に不可欠なものを除き、できるだけ操業やオフィスの営業を控えていただくようお願いしたいと思います」との声明を発表。企業活動の自粛を呼びかけた。

 大雪の影響はコンビニにも及んでいる。通常の営業継続が難しくなると判断したコンビニ各社は、本社から応援部隊を福井県の店舗に投入している。主に配送車から店舗内への荷おろしや雪かきなどの営業支援を行っている。

 ローソンでは2月7日、一部店舗においてお弁当やおにぎりの納品ができなかった。8日には通常なら1日2便だった商品配送を1便にまとめざるを得なくなった。さらなる混乱を避けるため、同社は9日に20人の応援部隊を現地に派遣した。当初は、11日までに延べ130人を派遣する予定だったが、大雪が長引いたため派遣期間の延長と派遣部隊の増員を決定。13日時点で延べ200人以上を派遣しているという。

 ファミリーマートは、8日から福井県を中心に延べ440人を超える応援部隊の派遣を決定した。12日時点ですでに310人超の社員が現地で営業支援をしているという(派遣先店舗にはサークルK・サンクスを含む)。

 セブン-イレブンもほぼ同時期に約100人の本社社員が現地で営業支援を行っている。

●営業継続にこだわる理由

 働き方改革の必要性が叫ばれるなか、各社はなぜ営業継続にこだわるのだろうか?

 ローソンの広報担当者は「被災地におけるインフラの役割を果たすため」と説明する。地震などの災害で物流が乱れた場合、食料や日用品などの救援物資は各地に設けられる避難所に優先的に運ばれる。ただ、さまざまな理由で自宅から出ることができない被災者もおり、救援物資が十分に届かない恐れがある。つまり、コンビニは災害時の重要なライフラインとなるわけだ。実際、東日本大震災の直後には自衛隊が避難所まで移動するのが難しい高齢者のために支援物資を個別に運んでいた。

 応援部隊の支援が奏功し、ローソンは13日時点で休業店舗はゼロ。一部遅れはあるものの、商品配送はほぼ通常体制に戻ったという。ファミリーマートやサークルKサンクスでも12日時点で休業する店舗はゼロだった。

●迅速な援助は日頃の備えから

 コンビニ各社が迅速な支援を行えたのは、あらかじめ準備していた災害対策マニュアルのおかげである。マニュアルは基本的に社外秘扱いだが、どのような中身になっているのか、ローソンの担当者に聞いた。

 まず、派遣する社員は現場でスムーズに支援できるよう店舗運営経験者を優先する。社員には「長靴を着用すること」「携帯電話の充電器を持参すること」など持参するものを指定する。現地での支援活動は班単位で行い、リーダーは冷静に判断できる者が務めるとする。支援内容は「店舗で行うこと」「配送センターで行うこと」といったように施設ごとに決めている。

 今回のコンビニ各社の対応はBCP(事業継続活動)の一環といえる。BCPは、緊急事態が発生した際に速やかに事業を再開するための行動手順をまとめたものだ。東日本大震災の教訓から大手企業を中心に策定が進んでいる。地震だけでなく、新型インフルエンザの流行や火山の噴火時などを想定してBCPを策定する企業も多い。

 きめ細かいBCPの策定は企業の存亡だけでなく競争力にも直結する。今回の大雪における被害を検証し、対策を見直すことがさまざまな企業に求められている。