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「準備は順調」「投資は6000億円で十分」――“第4の携帯キャリア”楽天・三木谷社長の自信

2/13(火) 18:48配信

ITmedia ビジネスオンライン

 「楽天はAI(人工知能)を駆使して効率的な設備投資を行い、今までにないMNO(移動体通信事業者)となる」――2019年度中の携帯電話事業開始を目指す、楽天の三木谷浩史社長は2月13日開いた決算会見でこう話した。

【画像】楽天のMNO事業の方針

 三木谷社長はAIの活用法については明言を避けたが、準備の進捗(しんちょく)状況は「既にさまざまなベンダーから見積もりや提案を受けているほか、MNOで働いた経験を持つ人を多く採用している。他社との関係構築やファイナンスの準備も着々と進んでいる」と自信を見せた。

●設備投資は6000億円で十分

 楽天は今後、基地局設置などに向け、2025年までに最大約6000億円の資金を調達する計画だ。ただ、KDDIの田中孝司社長が「その金額で設備投資が賄えるほど通信事業は甘くない」と述べるなど、大手携帯電話事業者(キャリア)の上層部は厳しい見方をしている。

 否定的な声に対し、三木谷社長は「(通信システムのうち)2Gや3Gには対応せず、4Gのみ提供することでコストを抑える計画。設備投資は6000億円で十分だ」とコメント。「イー・アクセス(当時)やUQコミュニケーションズの設備投資額も4000~5000億円程度だった。当社も、独自で十二分に賄うことを目指す」とした。

副社長は慎重な姿勢

 一方、会見では山田善久副社長が「設備投資額が足りない場合は、リースの利用を検討している」「サービス開始時に、全国一斉に通信サービスを提供するのは厳しい。形式は未定だが、(大手キャリア)3社のネットワークの利用も考えている」とコメントするなど、慎重な姿勢を見せる一幕もあった。

「楽天モバイル」ユーザーは「MNOに乗り換えてもらう」

 三木谷社長によると、投資額の内訳は(1)屋外基地局に3000億円、(2)屋内基地局に800億円、(3)コアネットワークなどに650億円、(4)顧客増加への対応に800億円、(5)MVNOの終了促進費用に754億円――などを予定する。

 現在提供しているMVNO「楽天モバイル」の顧客の処遇については、「準備が整い次第、MNOに乗り換えてもらう計画」(三木谷社長)という。

●株価は「実力反映していない」 将来はエコシステムの“アンカー”に

 携帯事業参入を発表後、携帯電話市場で競争が激化することを不安視する見方もあり、楽天の株価は下落が続く。だが三木谷社長は「残念ながら(株価には)実力が反映されていない」と強気な姿勢を崩さなかった。

 三木谷社長は携帯事業開始後の展望について、「米国でのAT&TとVerizon Communications、日本のソフトバンクとヤフーのように、通信事業とEC(インターネット通販)事業のシナジーはかなり高い。当社も『楽天市場』の顧客基盤を生かし、携帯事業をエコシステムのアンカー(支え)に育てていきたい」と決意を語った。