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<裁量労働制>厚労省調査に疑義 野党が追及強める

2/13(火) 19:57配信

毎日新聞

 政府が今国会への提出を予定する働き方改革関連法案で、裁量労働制に関する安倍晋三首相の答弁に野党が攻勢を強めている。首相は衆院予算委員会で、法案に盛り込む裁量労働制の拡大について厚生労働省の調査を基に利点を強調したが、その調査に疑問が浮上しているためだ。野党は「データの信ぴょう性が疑われる」と追及する構えだ。

 「厚労省の調査によれば、裁量労働制で働く方の労働時間の長さは、平均的な方で比べれば一般労働者よりも短いというデータもある」。首相は1月29日の衆院予算委で、裁量労働制の対象を拡大する意義をこう説明した。

 裁量労働制は、実際の労働時間に関わらず、あらかじめ決めた分だけ働いたとみなす制度。首相の答弁の根拠は、2013年度に厚労省がまとめた労働時間等総合実態調査のデータにある。全国の1万1575事業場を労働基準監督官が3カ月かけて訪問し、残業時間などを調べた。

 政府側はこの結果に基づき、法案で裁量労働制の対象とする企画業務型の労働者の1日の労働時間は9時間16分で、一般労働者の9時間37分より短いという事例を示した。企画業務型とは経営の中枢で企画・立案などに携わる人を指す。

 しかし、野党議員が確認したところ、平均的な労働者の1日の労働時間が、通常では考えられない23時間超の事業場が9カ所含まれていることが判明。その他のデータも不自然さを指摘する声が上がっていた。

 13日の衆院予算委で立憲民主党の長妻昭代表代行は、裁量労働制で働く人の方が労働時間が長いという、厚労省の調査とは逆の結果になった独立行政法人の調査に言及。首相に「片方(厚労省)のデータだけ言う答弁はフェアじゃない」「答弁を撤回すべきだ」と迫った。

 首相は「答弁した段階で確かに厚労省にそういうデータがあった。『平均的な方』と申し上げたが『平均』とは言っていない」とかわした。加藤勝信厚労相は「データを精査している」と述べた。【古関俊樹】

最終更新:2/13(火) 21:35
毎日新聞