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中也賞に埼玉のマーサ・ナカムラさん 山口市

2/13(火) 14:21配信

宇部日報

選考委員から「天才」の声も

 優れた現代詩の詩集に贈られる第23回中原中也賞の受賞作が10日、会社員のマーサ・ナカムラさん(27)=埼玉県松伏町=の「狸(たぬき)の匣(はこ)」(思潮社)に決まった。選考委員に天才と評された言葉選びのセンスや想像力で、他の作品を圧倒した。山口市主催。

 山口市湯田温泉3丁目の湯田温泉ユウベルホテル松政で、選考委員5人による選考会が開かれた。応募作品の中から七つを候補に挙げていたものの、選考委員で詩人の佐々木幹郎さんによると「冒頭から全員が『狸の匣』を押した。こんなことは今まで無かった」という。作家の高橋源一郎さんは「これまでの中也賞の中でも最高作」と評した。

 20編の詩からなる作品は、タヌキや天狗、犬など、異界に生きるものが登場。東京オリンピックや地震、家族などのモチーフをクロスさせながら、長編小説のような重厚さで詩を読む楽しさも伝えている。ナカムラさんは、早稲田大文化構想学部文芸・ジャーナリズム論系を卒業。受賞の知らせに「中也から背中を押してもらった気分。中也の『サーカス』の詩のような、心に残る詩を書いていけたら幸せ」と、喜びの言葉を寄せた。渡辺純忠市長は「ナカムラさんが受賞を契機に活躍の場を広げ、さらなる飛躍をされることを期待している」とコメントした。

 2016年12月1日から17年11月30日までに刊行された現代詩の詩集を対象とした同賞。今回は公募と推薦を合わせて全国から174点の応募があった。ナカムラさんには中也のブロンズ像と副賞の100万円が贈られる。贈呈式は4月29日に同会場で実施。さらに、文芸誌「ユリイカ」(青土社)の4月号に受賞作の一部と選考会の内容が掲載される。

最終更新:2/13(火) 14:21
宇部日報