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カルソニックカンセイ、ロシア現調率拡大へ 現地企業も興味津々

2/13(火) 15:31配信

日刊工業新聞電子版

■関税減免措置も

 カルソニックカンセイがロシアで現地調達率を引き上げる動きを加速させている。1月29日から2月2日にかけて同社の群馬工場(群馬県邑楽町)などにロシア企業を招き、生産管理などについて研修を実施した。同研修は2016年5月の安倍晋三首相とプーチン露大統領による日露首脳会談で合意した経済協力プランの一環。ロシア産業の生産技術レベルを底上げし、現地企業との取引拡大につなげる狙いがある。

 「(日本に比べ)ロシア企業は生産技術の点で遅れている。日本の求める品質を満たし取引できる現地企業は少ない」。カルソニックカンセイ・ロシア社(サンクトペテルブルク市)の山崎義明共同社長は、ロシアのモノづくり企業の現状をこう話し、品質や生産性の向上が喫緊の課題と説明する。

 カルソニックカンセイがロシアで現調率の向上を図る背景には、輸入部品に伴う為替変動リスクを回避するためのほか、現調率を一定程度に高めることを条件に関税の減免措置を受けられることがある。「日系完成車メーカーからも促進の要望がある」(山崎共同社長)という。ロシア社の現調率は現在、金額ベースで十数%にとどまる。山崎共同社長は「目標は定めていないが、現状以上に引き上げていく必要がある」と強調する。

 研修を実施した群馬工場はラジエーターなどの熱交換器を主に製造し、国内売上高の30%を占める主力工場。ロシアからマネジメントクラス以上の役職者を対象に6社11人が参加した。小池恵一群馬工場長は「調達から物流、生産までの総コスト『トータルデリバリーコスト(TDC)』を意識した体制づくりを感じてもらいたい」と呼びかけた。

 工場視察ではカルソカンの若手従業員による技能研修に加え、ラジエーターやオイルクーラーの各生産工程を見学。参加者はオイルクーラーの全品を自動で画像検査する工程や、IoT技術で生産管理する方法に興味津々の様子で見入っていた。射出成形を手がけるユーロ・モルディングのニキタ・ノヴォショーロフ品質企画部長は「規模が大きくても生産効率が高い仕事の仕組みに驚いた」と目を丸くした。

 欧州ビジネス協会(AEB)によると、2017年のロシア国内新車販売台数(小型商用車を含む)は、前年比11.9%増の159万5737台。16年の約142万台を底に回復基調となっている。カルソカンのロシア工場もフル稼働状態という。参加したロシア企業からは、カルソカンに対してサプライヤーの選定基準などの質問が多く出た。

 カルソカン・ロシア社の山崎共同社長は「参加企業のうち、取引の可能性がある企業が数社ある」と明かす。ロシア企業は日本のモノづくり技術を持ち帰って生産技術を高め、ビジネスチャンスの拡大を狙う。カルソカンにとっても現調率を高められる好機となる。相互に利益を享受する関係を構築して業容拡大を狙う。

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