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軽妙な演奏でみんな笑顔に 上尾チンドン倶楽部、最高峰のコンクールで敢闘賞 埼玉郷土の曲に挑戦も

2/13(火) 10:31配信

埼玉新聞

 白塗りの顔に和服姿、チンドン太鼓やアコーディオンの軽妙な演奏に乗せ、開店や商品などを練り歩き宣伝するチンドン屋。今、全国各地でチンドン大会が開催されたり、若者がメンバーに加わるなど、ブーム再来ともいわれている。5年前に結成されたアマチュアの「上尾チンドン倶楽部」は祭りやイベントに参加したり、施設を訪問するなど、活動の幅を広げている。さらに昨年は、富山県のアマ・プロが集結する最高峰のチンドンコンクールのアマチュア部門に初出場し、敢闘賞を受賞。前橋市で行われた全国アマチュア競演会で最優秀賞を果たすなど、実力も折り紙付きだ。

■小さい頃の夢

 「上尾チンドン倶楽部」のメンバーは、埼玉県上尾市内で接骨院を開業する座長の古沢真弘さん(53)をはじめ、同市近郊の公務員や会社員ら20~50代までの男女8人。古沢さんの知人の音楽関係者からの紹介やイベントでチンドンを見て「明るくノリの良さに魅せられた」と、入会してきた人たちが集まった。同市や関東地方を中心に年間30カ所以上の祭りやイベントに参加する。「チンドンの魅力は何と言っても、みんなが笑顔になれること」と古沢さん。

 古沢さんは幼少時代、東京の下町に住み、よくチンドン屋を見た。「音色が明るく哀愁を帯び、幼心に引きつけられた」。チンドン好きな両親の影響も受け、小さい頃の夢はチンドン屋だった。

 学生時代はバンド、社会人になっても三線(さんしん)を弾いていた古沢さんの思いが再燃したのは、サラリーマンだった40歳ごろ。仕事で名古屋で生活していた当時、ライブでアマチュアのチンドングループのアコーディオン奏者と同じステージに立ち、仲良くなったのがきっかけ。すぐに仲間に入り、祭りやイベントで経験を積んだ。その後、同市に移り、接骨院を開業。5年前に同倶楽部を立ち上げた。

■音には不思議な力

 同倶楽部のチンドンは、古沢さんのチンドン太鼓、太鼓、楽士(アコーディオン、サックス、トランペットなど担当)、踊りで構成されている。アニメソングからジャズ、AKBなどレパートリーは幅広い。

 見る人たちの反応はさまざまだ。今でも印象に残っているのは、知的障害者の施設を訪れた時のこと。自閉症で普段は感情を表さず、会話をしない若い女性が、同倶楽部の演奏を聴き、大喜びで踊っていた。「音には本当に不思議な力があるのだと改めて気付かされた」と、古沢さんは振り返る。

■息の長いお手伝い

 東日本大震災で被害に遭った岩手県大船渡市の「ちんどんまつり」には毎年、参加している。ホールは毎回超満員。行くたびに街の復興を実感する一方、借金や病気を抱えている人たちもいるという。「住民の生活はむしろこれから」と感じ、「息の長いお手伝いをしていきたい」と話し、「人の琴線に触れる民謡や埼玉の郷土の曲を使ったチンドンに挑戦したい」と意欲を見せている。

最終更新:2/13(火) 10:31
埼玉新聞