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ヘルプマーク広まって 県内の内部障害者ら期待 全国で導入拡大 既存マークとの共存が課題

2/13(火) 0:00配信

北日本新聞

 外見では分かりにくい心臓病などの内部障害や難病への配慮を求める「ヘルプマーク」の普及を求める声が県内の患者の間で高まっている。東京都が考案し、昨年7月の日本工業規格(JIS)採用を機に全国の自治体で急速に導入が進むが、県内では広まっていないためだ。一方、内部障害への配慮を求めて民間団体が考案した「ハート・プラスマーク」は県内でも徐々に浸透しており、両マークの共存の形が課題となっている。 (報道センター部次長・小川剛)

 赤地に白の十字などをかたどったヘルプマークは、内部障害者や人工関節使用者、難病患者、妊娠初期の女性ら「外見から分からなくても援助や配慮が必要な人」が対象。これらの人は車いすをデザインした国際シンボルマークのある障害者用の優先座席・駐車場などの利用に理解が得られにくく、状況を改善しようと東京都が2012年に考案した。東京五輪・パラリンピックを控え、都は全国的な記号にしようとJIS登録を提案し採用された。これが追い風となり、都のまとめでは昨年末までに16都道府県が導入し、マークの配布などを行っている。

 肺動脈内部が異常に狭くなりその部分の血圧が上がる難病を患う内部障害者の小沼春奈さん(34)=富山市=は息切れを発症することがある。ヘルプマークを県内で入手する方法を調べたが見つからず、都内を訪れたときに地下鉄の駅で配布されていたストラップ型をかばんに付けている。公共交通機関を利用する際、都内で席を譲ってもらったが、県内ではマークに関する表示をほとんど見ないという。

 県議会では一昨年と昨年、ヘルプマークの普及を求める質問があった。県はホームページや啓発冊子でマークを紹介しているが、配布など踏み込んだ普及策は未定とする。

 一方、胸にハートをあしらったハート・プラスマークは内部障害者が対象。03年に名古屋市のNPO法人ハート・プラスの会が作り、同会のまとめでは少なくとも全国31都道府県の施設などで導入例がある。県内では近年、内部障害者らの働き掛けで普及しつつあり、少なくとも11の公共・民間施設で導入されている。

 県障害者(児)団体連絡協議会は県の新年度予算に対し、ヘルプマークの普及促進を要望した。ハート・プラスマークの普及を求めた年もあったが、都内の病院を受診する難病患者から求める声が相次いだことや対象となる症状の幅広さから、ヘルプマークに重心を移しつつある。

 小沼さんは、自らの働き掛けで近くの店舗駐車場にハート・プラスマークが導入されたことや、「広めたい」との思いから車にはこのマークを張っている。「二つのマークが共存していてもいい。ただ、全国の誰もが一目で共通認識できるものがあるべき」と話している。

北日本新聞社

最終更新:2/16(金) 20:10
北日本新聞