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<陸自ヘリ墜落>試験飛行、雪で経路変更 「予備」選択、神埼市上空に

2/13(火) 7:54配信

佐賀新聞

 神埼市千代田町の民家に陸上自衛隊のAH64D戦闘ヘリコプターが墜落し、隊員2人が死亡した事故は、12日で発生から1週間が経過した。離陸後7分で墜落し、現場の手前でメインローター(主回転翼)の羽根4枚のうち2枚が分離、落下するなど「通常では考えられない事故」(山崎幸二陸上幕僚長)。部品の欠陥か、整備ミスか、予期せぬ不具合か。本格的な調査はこれからだが、試験飛行で神埼市上空を飛んだ理由が、雪によるルート変更だったことなど、明らかになってきている状況もある。

 ヘリは5日夕、定期整備を終え、試験飛行のため目達原駐屯地(神埼郡吉野ヶ里町)を飛び立った。駐屯地周辺を周回した後、西へと飛んだ。本来予定していたのは、福岡県久留米市から朝倉市に向かう東への経路。西へのルートは「予備経路」だった。当初予定していた経路には、雪が舞っていた。気象状況の悪化によるルート変更だった。

 陸自によると、試験飛行ではまず「本経路」を目指す。気象状況が悪ければ予備経路を選択する。

 ヘリは5日午後4時36分に離陸。駐屯地の敷地外の南西側を周回するように設定された飛行ルート「場周経路」を反時計回りに半周ほど飛んだ。同38分、ヘリは予備経路を選択し、佐賀市方面へ飛行することを駐屯地の管制官に伝える。そして、三養基郡上峰町上空で時計回りに飛行した後、管制圏に出入りするポイント(西方約10キロ)を目指す。その5分後、機体は機首から落下した。

 被害に遭った小学5年生の女の子(11)はこのころ、自宅に1人でいた。2階から着替えを取り、1階で着替えを済ませ、洗濯物を洗濯機に入れた。南東側のリビングに入った時だった。「工事現場のような大きな音がし、地震のような大きな揺れがあり、家の中が真っ白になった」。女の子が直面した光景を父親はこうコメントした。

 女の子は、南側の割れた窓から着の身着のまま素足で外に飛び出し、隣の家にいた祖母と一緒に難を逃れた。外傷は奇跡的にひざのけがにとどまったが、「心の傷」が心配されている。事故後、大きな音に敏感になった。

最終更新:2/13(火) 12:39
佐賀新聞