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「地域で働く助産師必要」/青森県助産師会、派遣協力に前向き

2/13(火) 11:29配信

Web東奥

 妊娠、出産、子育て期までを切れ目なくサポートする「子育て世代包括支援センター」の2020年度末までの全市町村設置を国が目指している。青森県内で設置済みなのは黒石市と鯵ケ沢町のみ。他の市町村も設置の準備や検討を始めているが、産前産後の母親や新生児のケアの専門家である助産師が職員にいる市町村は少ない。県助産師会は「これからは地域で働く助産師が必要。センターの体制ができるまで、助産師の派遣などで協力したい」と話している。

 「赤ちゃんがミルクを吐いてしまうんです」

 「げっぷは出せているかな。背中が伸びるようにだっこしてみて」

 平川市健康センターで1月18日に開かれた「子育て広場」。生後約2カ月の長女明冴(めいさ)ちゃんと参加した檜山真弓さん(40)が、助産師の白濱奈々子さん(60)からマンツーマンでアドバイスを受けていた。檜山さんは「知らなかったことをたくさん教えてもらえて勉強になった」と安心した様子で話した。

 同市はこれまで職員に助産師がいなかったが、18年度にセンターを設置し、助産師を臨時職員として1人採用する予定。本年度は設置準備のために県助産師会から助産師の派遣を受け、乳幼児の親子が主な対象の「子育て広場」や、妊婦と家族向けの「パパママ教室」で保健師と一緒に指導してもらっている。センター設置後は、助産師が新たに全妊婦の訪問(電話を含む)、産後1カ月以内の新生児訪問を行う予定だ。

 厚生労働省の通知によると、センターには母子保健の専門知識がある保健師、助産師、看護師、ソーシャルワーカーのいずれかを1人以上配置することになっている。必ずしも助産師を配置しなくてもいいが、同市健康推進課母子保健係の小山内宏子係長は「助産師は母乳の実技指導など、保健師ができない部分をケアできる」と話す。

 県などによると、青森市と八戸市も18年度以降のセンター開設に向けて準備を進めているが、他の市町村はまだ検討段階だ。

 県助産師会は1月、県の委託を受け、設置を検討している市町村を対象に、保健所圏域ごとの「検討会」を開催した。市町村の担当者からは「助産師などの人材確保が難しい」との声が聞かれたという。同会は18年度から、市町村の要望があれば、妊産婦訪問や両親学級などに助産師を派遣する予定。将来的に助産師の採用につなげたい考えだ。

 一方、県内で助産師として働いている人は16年12月末現在326人。人口10万人当たりでは25.2人と全国平均(28.2人)を下回り、全国41位にとどまる。むつ総合病院は県立中央病院から助産師の派遣を受けるなど、病院や診療所で分娩(ぶんべん)を扱う助産師も不足している。近年県内で産科の閉鎖が相次ぐ中、退職したり看護師として働いている人もいるという。

 県助産師会会長を務める白濱さんは「病院で夜勤はできなくても、日中、地域で働ける人がいるはず。潜在助産師には協力してほしい」と話す。「最近は核家族化で、初めて触れ合う赤ちゃんが自分の子どもだったりする。産後の入院期間も短く、よく分からないうちに育児がスタートし、限界まで頑張っているお母さんが多い。助産師が地域でケアすることで、つらい思いをするお母さんを1人でも少なくしたい」と語った。

東奥日報社

最終更新:2/13(火) 11:29
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