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「有名企業かっこいい」 春から社会人、ヘッドハンティング夢見る22歳

2/14(水) 7:01配信

神戸新聞NEXT

 兵庫県三田市内の大学に通う4年のカズキさん(22)=仮名=は、春から社会人になる。大企業を目指して就職活動をしてきたが、志望した会社は全て不採用。唯一、内定をもらったベンチャー企業に入社する。「でもやっぱり、有名な企業に入りたい…」。与えられた仕事をしっかりやり、自分が成長できたと思ったら転職しようと心に誓う。

         ◇

 びっくりするくらい普通の子どもでした。運動も勉強もできる方ではなかったですし。ただ、親が昔から「有名な大学に行って、大手企業で働くのがすごい」という考え方だったんです。僕も何となく、それがいいのかなと思うようになってました。

 負けず嫌いの面もありましたね。小学生の時、仲良しの友達にテストの点数を見られて「アホちゃうん」って笑われたんです。その子は入塾テストに合格しないと入れない塾に通っていて、「カズキは入れんやろ」と言われたんです。悔しくて勉強して、同じ塾に入ってやりました。

 今、思うと、僕は何でも「入るのが目標」になっていたんだと思います。自分に自信がないから、所属する“いい場所”が欲しかった。高校と大学は偏差値の高い学校に入って、アルバイト先はチェーン店のカフェ。周りから見た時に、賢くて、おしゃれでかっこいいというイメージを持ってもらえるのがうれしいんです。自己満足ですよね。

 入ったら満足してしまうんで、大学では最初、ボーっと過ごす時間が多くて「何のために大学に来てるんやろ」とよく考えました。2年からは友達に誘われて政治サークルに入りました。議員の仕事を見せてもらったり、高校生向けに政治の授業をしたり、活動が充実してくると楽しかったですね。

 就職活動は、大手の食品メーカーを志望しました。食品って誰もが手にするし、人の生活と切り離せないじゃないですか。受けたのは20社くらい。僕は「所属できたらかっこいいな」という感じなんで、面接で入社して何をしたいか質問されても「人の生活を変えていくようなイノベーションを起こしたい」とか、抽象的なことしか答えられなくて…。

 先にベンチャー企業から内定をもらっていたので、気持ちは楽でしたが、(不採用を知らせる)お祈りメールが続くときつかったです。「相性が悪かった」と自分に言い聞かせるんですけど。第1志望の会社は4回受けましたが、最後は1次試験で落ちました。

 今は後悔はないです。むしろ落としてもらって、自分の欠点を見つけられたので良かったです。入社する会社は実力主義。早く力を付けて、大企業からヘッドハンティングされるような人になりたい。(山脇未菜美)

 ■就職活動で嫌だったことは?

・最終選考まで行って落ちた時

・選考は大阪が多く、交通費がかかった

・グループディスカッションで、自己主張が強い人と一緒になること

最終更新:2/14(水) 9:32
神戸新聞NEXT