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予算教書 財政規律重視、薄れる 共和党「変貌」に懸念の声も

2/14(水) 7:55配信

産経新聞

 【ワシントン=塩原永久】トランプ米大統領が公表した2019会計年度の予算教書は、財政収支の改善を後回しにしてでも、歳出を増額して高めの経済成長を目指す内容となった。すでに議会の与野党が合意した予算方針も歳出上限を大幅に引き上げている。赤字が積み上がる予算編成に際し、財政規律の重視を伝統とする共和党が「沈黙した」(米紙ワシントン・ポスト)と指摘され、財政懸念が深まっている。

 与野党は先週、18年度と19年度の歳出上限を計3千億ドル(約32兆7千億円)引き上げる方針で合意した。

 12日に議会に提出された予算教書は与野党合意に沿った内容となり、国防費の大幅増をはじめ歳出増加が鮮明だ。与野党合意は、インフラ投資や社会福祉関連の非国防費も増やし、秋の中間選挙を控え、与野党がともに「お手盛り」予算で手を結んだ格好となった。

 予算教書は、高齢者向け公的医療保険制度(メディケア)予算の削減などで、10年間で3兆ドル超の歳出を減らしたが、それでも7兆ドルを超す赤字が残り、財源確保に国債の増発は必至との見方が根強い。

 政権は10年間で1兆5千億ドルの大型減税を実施。インフラ整備にも2千億ドルを支出する。与野党が合意した歳出増の予算方針の法案には、下院の採決で共和党保守強硬派から反対票が投じられたが、多数の同党議員の賛成で可決した。

 米メディアでは「共和党が追求してきた緊縮財政の終焉(しゅうえん)は明白だ」(ウォールストリート・ジャーナル紙)として、トランプ政権のもと、上下両院で多数派を握る共和党の「変貌」ぶりに関心が寄せられている。

 共和党の保守派グループからは、「(財政規律を重視する)財政タカ派はますます絶滅危惧種になった」(ガエッツ下院議員)と自嘲気味の声も出ている。

最終更新:2/14(水) 7:55
産経新聞