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独「連立」二大政党大揺れ メルケル氏らへ不満噴出

2/14(水) 7:55配信

産経新聞

 【ベルリン=宮下日出男】ドイツで大連立継続に合意した保守系、キリスト教民主・社会同盟と中道左派の社会民主党がともに揺れている。閣僚ポストなどへの不満が続出し、メルケル首相ら両党幹部は沈静化のため守勢に立たされた。次期政権をめぐる混迷で、二大政党に対する国民の信頼低下も懸念されそうだ。

 「失望は理解するが、安定政権のための犠牲だ」。メルケル氏は11日、独公共テレビZDFとのインタビューでこう語り、社民党との連立合意を擁護した。

 メルケル氏は7日に連立合意にこぎ着けたが、重要職の財務相を社民党に譲った。独メディアによると、メルケル氏は合意のため、首相以外の閣僚ポストを社民党に優先的に選ばせる姿勢だったとされ、財政規律重視の同盟では「政治的な過ち」「権威失墜」と批判が相次いだ。

 首相就任から12年以上が経過し、党内では後進への道筋をつけるよう求める声も上がる。メルケル氏は首相任期を全うする考えを改めて示す一方、「若い人々を考慮せねばならない」と加え、閣僚人事では世代交代へ配慮するとした。

 一方、社民党のシュルツ党首は9日、「私のポストをめぐる議論で党員投票の成功が危ぶまれており、入閣を断念する」との声明を出す事態に追い込まれた。

 同党は交渉で難民政策などで望む結果を出せなかったが、財務相を含む閣僚配分なども成果に、最後の関門となる20日からの党員投票で承認を得る筋書きを描く。だが、シュルツ氏が党首を退く一方、外相に就く意向を示したことに党内で批判が噴出した。

 理由はメルケル政権には「入閣しない」としていた姿勢をシュルツ氏が翻したため。「政策よりも人事優先」とみられれば、党員投票に悪影響を及ぼす。シュルツ氏は圧力を受け断念したが、新党首選びなどで火種はなおくすぶる。

 11日公表の世論調査では連立支持が社民党の支持者で8割を超え、党員投票の承認には期待がかかる。ただ、最近は両党の合計支持率が5割を割り、別の調査では両党がそれぞれ「国の課題に対処できるか」との質問に、「できる」との回答が同盟で23%、社民党で6%だった。

 連立が実現すれば、大衆迎合主義的な右派政党「ドイツのための選択肢」(AfD)が存在感を増す。同党幹部はメルケル氏らに対し、「自分が助かるために信念を捨てた。連立交渉で(政策の)中身は重要でなかったのだ」と息巻いた。

最終更新:2/14(水) 8:26
産経新聞