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【茨城県民の警察官 受章者の横顔】太田署地域課真弓駐在所・鹿志村裕警部補

2/15(木) 7:55配信

産経新聞

 県民の安全、安心のため、職務に励む警察官をたたえる「第41回茨城県民の警察官」(産経新聞社主催)の表彰式が24日に開かれる。表彰式を前に、今年の受章者2人の横顔を紹介する。(丸山将)

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 ■地域の安全見守る“目”

 「私だけはだまされないと思っていたのよ」

 常陸太田市小妻町の公民館に笑い声が響く。「面白くてためになる」「プロみたいに上手」-。腹話術を使ったニセ電話詐欺の被害防止講話は集まった約30人の地域住民から大好評だった。講話ではギターによる弾き語りで被害防止を訴える歌も披露。最後は大きな拍手が巻き起こった。

 「駐在所にいると、いろいろな住民の声が聞こえてくる。それに応えるのが警察の原点だと思う」

 さまざまな取り組みの源は地域住民に寄り添う使命感だ。「『自分だけはだまされない』という考えが危ない。そう思っている人に聞いてほしい」。住民の安心を願う気持ちが独自の講話に結びついた。

 腹話術は5年ほど前に趣味で始めた。昨年11月に特技を使った講話を初めて披露したところ、「駐在所以外の地域でもやってほしい」と引っ張りだこになったという。講話のストーリーを一から考え、人形も自前で用意した。「手間はかかっても苦ではない」と言い切る姿に、太田署の大貫雅雄副署長は「地域部門でこそ輝く好人物」と太鼓判を押す。

 勤続39年のうち37年余りを地域部門で勤務。心がけているのは、「住民の小さな変化も見逃さない」ことだ。駐在所管内の約1650世帯のうち、特に独居世帯の高齢者に気を配っている。

 各世帯を巡回中、昼過ぎにもかかわらず郵便受けに新聞が入ったままの家があった。住人は高齢者だった。気がかりで2日後に再び訪れると、「旅行に行っていた」と元気な姿を確認できて安心したという。普段の巡回に加えて広報紙を自ら作り、地域の見守り活動を兼ねて配布し、地域を見守る“目”としての役割を果たしている。

 パトロールや講話などで駐在所を空ける間は、妻のみとりさんが留守を預かる。「安心して任せられる」と信頼を置くみとりさんには、講話のアドバイスももらっている。「妻のおかげで良い仕事ができている」。真弓駐在所には、住民の安心と安全を守る夫婦の姿があった。

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【プロフィル】鹿志村裕

 かしむら・ゆたか 58歳。那珂町(現那珂市)出身。昭和53年4月に茨城県警察官を拝命。水戸署、筑波学園署(現つくば中央署)、石岡署、ひたちなか西署(現ひたちなか署)、高萩署などを経て、平成28年3月から現職。家族は妻と1男1女。趣味はカラオケ。

最終更新:2/15(木) 7:55
産経新聞