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船舶位置情報を偽装=北朝鮮の密輸巧妙化―国連報告書

2/14(水) 16:57配信

時事通信

 【ニューヨーク時事】国連安全保障理事会決議で北朝鮮制裁が強化されたことを受け、北朝鮮は禁輸物資の密輸手法を巧妙化させている。

 安保理北朝鮮制裁委員会の専門家パネルが最近まとめた報告書は、船の位置情報の偽装や、書類の偽造など密輸の手口を詳細に示している。

 安保理決議は2016年、北朝鮮の主要輸出品だった石炭の輸出に上限を設け、昨年8月に全面禁輸とした。しかし、北朝鮮による密輸例はその後も確認され、石炭輸出で北朝鮮は昨年8月には1億3800万ドル(約148億円)、同9月も4400万ドル(約47億円)稼いでいた。

 報告書は、石炭密輸に関し、(1)ルートの迂回(うかい)(2)書類の偽造(3)第三国を経由―などで、「実際の船の航行ルートを分かりにくくし、北朝鮮産の積み荷ではないという印象を持たせようとしている」と指摘する。

 中でも、密輸船が北朝鮮で石炭を積む航路へ迂回する際に、ほぼいつも行っているのが船の位置情報を電波で示す「船舶自動識別装置(AIS)」の操作という。例えば、コモロ籍の「ペトレル8」は昨年7月19日の時点でロシア・ナホトカに向かっていたが、途中でAISを停止。その後、北朝鮮・大安で石炭を積載した後、27日にAISを再び起動した。それからナホトカにいったん寄港し、8月8日、中国遼寧省で石炭を下ろした。ロシア産石炭を中国に輸送したと見せる狙いがあったとみられている。

 報告書は偽造書類に関しては、契約書や証明書などがあっても、多くの船が実際に書類の示す港を訪れていなかったと指摘した。ロシア産石炭の積載を示す書類がありながら、ロシアに寄港した形跡のない船などがあった。 

最終更新:2/14(水) 18:24
時事通信