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新科目、先取り校は手応え=負担増へ不安も―高校指導要領改定案

2/14(水) 17:11配信

時事通信

 高校の学習指導要領改定案では、日本と世界の近現代史を関連付けて学ぶ「歴史総合」や、理科と数学にわたる課題を研究する「理数探究」などの科目の新設が盛り込まれた。

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 先取りして同様の授業に取り組む高校は手応えを感じている一方、学校現場では負担増への不安も根強い。

 東京都渋谷区の私立青山学院高等部は、2年生に日本史と世界史を融合させた「現代史」と呼ぶ授業を実施している。今年度は、ベトナム戦争を学ぶ際、東西冷戦との関係に加え、占領下だった沖縄県の米軍嘉手納基地から爆撃機が飛んだ事実を紹介。県内で反戦運動が起き、祖国復帰運動につながったことなど日本との関連も取り上げた。

 西村嘉高教諭(53)によると、生徒からは「日本と他の国のつながりが分かって良かった」といった感想が寄せられているという。

 京都市立堀川高校は、1、2年で「探究基礎」という科目を設けている。理科や数学をはじめとする評価の定まっていない問題について生徒自らテーマを設定し、1年半にわたり個人研究をする。今年度に生徒が発表したのは、「黄ばんだ紙を元に戻せるか」「バスや電車で人が座席を選択する理由」などさまざまだ。

 かつて「崩れない泥団子の作り方」を研究した生徒はもともと建築に興味があり、京都大工学部に進学した。恩田徹校長(60)は「偏差値ではなく、興味のあることを学べる学校を自分で選んで進学する生徒がほとんど」と話す。

 今回の改定では、学習内容は減らない上、「主体的・対話的で深い学び」などにより、知識の理解の質を高めるよう求めている。

 全国高等学校長協会会長の宮本久也・都立西高校長(60)は「生徒に自分で考えさせることは理解の定着に効果的だ」としつつ、「それには時間や工夫も必要。内容を減らさず教えるのは非常に難しい」と懸念する。宮本校長は「多忙な教員が新指導要領を研究するため、教員増やサポート人材の配置などを進めてほしい」と話している。 

最終更新:2/14(水) 18:53
時事通信