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<東芝>新会長・車谷氏「早期に復活」 収益力向上に期待

2/14(水) 21:04配信

毎日新聞

 東芝は14日の取締役会で、元三井住友銀行副頭取で英投資ファンド、CVCキャピタル・パートナーズ日本法人会長を務める車谷暢昭氏(60)を会長兼最高経営責任者(CEO)に迎える人事を決めた。債務超過解消のメドが立ったことで危機的状況を脱し、焦点は稼ぎ頭の半導体メモリー子会社「東芝メモリ」の売却後に、収益力をどう高めるかに移っている。東芝は車谷氏を招いた新体制で、新たな成長戦略を探ることになる。【古屋敷尚子、今村茜】

 「経営資源を集結して早期に復活させる。企業買収や大企業の危機対応で培った専門知識やネットワークを東芝でも生かしたい」。新たに最高執行責任者(COO)となる綱川智社長と並んで同日、東京都内で記者会見した車谷氏は、こう意欲を語った。

 昨年2月、米原発事業の巨額損失の責任をとり、志賀重範氏が辞任して以降、会長職は空席だった。車谷氏が中長期的な事業戦略や対外活動、綱川氏が業務の執行を担当する。

 東芝は米原発事業で陥った債務超過を解消するため、昨年9月に東芝メモリの売却先を決定し、残る独占禁止法の審査は中国だけになっている。一方で、12月には約6000億円の第三者割当増資を実施し、売却完了が3月末に間に合わなくても債務超過を解消できるメドが立った。売却益を成長投資に充てることが今後の鍵となるが、「何に投資をするのか計画策定に難航している」(東芝幹部)のが実態だ。

 そこで東芝は、外部の視点を取り入れることにした。車谷氏に収益性の高い事業に投資する目利き役を求めており、これまでの銀行での経験が期待されている。また、増資の引受先となった「もの言う株主」から経営への注文も来ており、こうした株主への対応についても「コミュニケーションを一部担ってもらいたい」(綱川社長)考えだ。

 メモリー事業の売却後の東芝は、手堅いビジネスながら大幅な成長が見込みにくい社会インフラが中心となる。早稲田大大学院経営管理研究科の長内厚教授は「稼ぎ頭がない中、各事業を底上げしながら新事業をどう育てるかが大切で車谷氏の実行力が問われる」と指摘する。だが、車谷氏に事業会社の経験はなく、その経営手腕には未知数の面もある。

 一方、東芝は14日、18年3月期の連結最終損益見通しを1100億円の赤字から5200億円の黒字に上方修正した。米原発子会社の債権売却や税金の負担額減少などが寄与するためだ。売上高は前期比20%減の3兆9000億円、営業利益は4300億円からゼロに下方修正した。

最終更新:2/14(水) 23:25
毎日新聞