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<裁量労働制>問題の数字、3年前から政府側の答弁で使用

2/14(水) 21:11配信

毎日新聞

 ◇厚労省の労働時間等総合実態調査

 不自然な点が指摘されている厚生労働省の労働時間等総合実態調査は、2013年に全国の1万1575事業場を対象に実施された。残業時間や割増賃金率の状況などを把握することが目的。問題の数字は、3年前から政府側の答弁の中で使用されている。

 調査では各事業場で働く人の平均でなく、事業場内の「平均的な人」を1人選び残業時間を調べた。こうして算出した全事業場の平均は1日当たり1時間37分で、政府はこれに法定労働時間(8時間)を加えた9時間37分を一般労働者の労働時間とした。企画業務型裁量労働制で働く人の9時間16分より長く、裁量労働制の利点を強調していた。

 しかし、調査の中に残業時間を「15時間超」と回答した事業場が9カ所あったことが判明。8時間の法定労働時間を加えると、1日23時間を超えて働いていることになり、通常では考えられない内容だった。

 さらに、一般労働者の1週間の残業時間が2時間47分というデータもあり、野党は「1日の残業時間が1時間37分ならば、週5日労働で5倍ぐらいにならないといけない」と疑問を投げかけていた。

 今回の数字は、裁量労働制の拡大が議論された15年7月の衆院厚生労働委員会で塩崎恭久前厚労相が説明に用いていた。調査の問題点を指摘している法政大キャリアデザイン学部の上西充子教授は「法案を通すために作り込んだ数字の可能性が高い」と話している。【古関俊樹】

最終更新:2/14(水) 21:11
毎日新聞