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<五輪スケート>悔しさ、糧になる 女子1000・小平銀

2/14(水) 21:28配信

毎日新聞

 【平昌・岩壁峻】1000メートルの世界記録保持者にとって「表彰台は必然」と位置付けられたレースで、小平奈緒が期待通りの滑りを見せた。12日の1500メートルの高木美に続く銀メダル。狙っていた18日の500メートルとの2冠は逃したが、「諦めずにゴールラインの先まで実力を出し切れた」とレースを振り返った。

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 500メートルでは、昨季から国内外のレースで24戦無敗。今でこそ常勝のイメージが強いが、「自分にとって必要なのは、悔しい思いだと考えている」と語る。

 2009年に信州大を卒業後、競技生活続行を考えたものの所属先がなかなか決まらなかった。ワールドカップ(W杯)で表彰台の常連になった12~13年シーズン終盤の国際大会では、2戦続けて転倒した。14年のソチ大会は1000メートルで13位に終わった。

 そんな「悔しさ」をぶつけて周囲を驚かせたのが昨年12月、米ソルトレークシティーで開催されたW杯1000メートルでの世界記録樹立だった。

 元々照準を合わせていたのは、五輪2連覇中の李相花(イサンファ)(韓国)が保持する500メートル36秒36の世界記録。今季のW杯で全7レースを制したが、高地で空気抵抗が少なくタイムが出やすいとされたカナダ・カルガリーやソルトレークシティーでも記録更新を逃した。「チャレンジしてきたのに……」と声を落とす姿に、優勝の喜びはなかった。

 従来の1000メートルの記録を0.09秒上回る快記録は、500メートルで記録を更新できなかった翌日のレースでたたき出した。小平は「悔しさを得たことは、自分にプラスになると思った」と振り返った。苦い記憶を推進力に変えられるのが、最大の強みでもある。

 「勝利よりも記録」というこだわり。それでも、1998年長野五輪男子500メートル金メダルの清水宏保のコーチを務め、信州大時代から継続的に指導する結城匡啓(まさひろ)コーチ(52)は、1000メートルで小平が両方を手にできると信じて五輪前にこう話していた。「一番速い選手は世界記録保持者で、一番強い選手は五輪優勝者だ」

 「強さ」の立証は500メートルへお預けになったが、この悔しさもまた、小平を成長させる。

最終更新:2/14(水) 23:59
毎日新聞