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老舗スキー雑誌の破産、なぜ社長ではなく従業員が申請した?

2/14(水) 8:16配信

ニュースイッチ

取引先からは「社長はろくに出社もせず、金策は他人任せ」

 スキーブームを追い風に存在感を示していた「月刊スキージャーナル」。同誌発刊のスキージヤーナルは、各所への支払い遅延が続く中、従業員に第三者破産を申し立てられた。従業員は何を思い、同申し立てを行ったのだろうか。

 月刊スキージャーナルは1966年に創刊。同事業はスキーブームを追い風に、90年には年商15億円超まで成長。翌91年6月、前身企業より現在の会社が事業を引き継いだ。

 しかし、スキー人口の減少で2012年5月期の売上高は約5億円に減少、この時すでに債務超過に陥っていた。

 加えて、近年は不運が続いた。まず、ここ2シーズンは雪不足が痛手となった。スキー人口減に拍車が掛かり、同誌の販売部数も減少した。

 取次業者の倒産も追い打ちをかけた。15年6月、16年3月に相次いで取引のあった取次業者が倒産。両社に対する焦げ付きだけでなく、これまで両取次業者の介入で得られた必要運転資金の軽減や、販売先の確保といった効果が薄れた。結果、17年5月期の売上高4億4100万円に対し当期純損失は約1500万円を計上した。

 こうした中、代表は「事業を継続する」と公言、「第二会社方式で再建を目指す」としていたが、17年12月初旬には債権譲渡登記の設定を許した。

 また、同月11日には弁護士が「債務整理の任にあたる」との通知を出し、倒産説が広まった。取引先からは「社長はろくに出社もせず、金策は他人任せ。空中分解していた」という声が聞かれる始末だ。12月下旬には従業員を解雇。それでも法的整理の意思は示さなかった。

 こうした状況にしびれを切らし、従業員らは18年1月9日に第三者破産を申請。同月30日には破産手続き開始決定を受けることになったが、今でも「本来は社長が最後まで責任をもって行うべきこと」と、憤りの声は治まらない。

文=帝国データバンク情報部

最終更新:2/14(水) 8:16
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