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私が韓国で働く理由…/筒井里緒さん21歳の場合

2/14(水) 10:08配信

日刊スポーツ

<三須一紀記者のピョンチャンルポ>

 韓国は在留邦人が約3万8000人いて、外務省の国(地域)別統計で10番目の多さだ。平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)を機に、韓国で働く日本人を取材した。その中にいたのが、自身が在日韓国人だったと知り、訪韓したという筒井里緒さん(21)。自分のルーツに触れたいと日々、異国での生活に奮闘していた。

【写真】弘大(ホンデ)の目抜き通りは寒空の中、大にぎわいで、原宿の竹下通りのような雰囲気だった

 ソウル市弘大(ホンデ)は大学があり、若者文化でにぎわう街。日本の原宿のような雰囲気がある。韓流スターの継続的な人気で、多くの日本人も来る場所だ。そんな街の一角にあるパブで、筒井さんは働いていた。

 高校の3者面談で資金をためて留学すると宣言し、卒業後2年ほどアルバイトをして貯金した。多くの国を訪れたい思いは今もあるが、最初は韓国と決めていた。

 小さい頃、母が日本語以外に韓国語も話していた。「今思えば、お盆やお正月も韓国式の儀式でやっていた」と振り返る。その後、母方が在日韓国人だと知った。詳しくは聞かされていないが「朝鮮戦争後、北朝鮮に行った親戚もいると聞いた」と話した。

 留学先について友人は「韓国じゃなくてもいいのでは」と言ったが、思いは変わらなかった。日本では一部に「在日」というだけでヘイトスピーチを行う集団もいる。しかし、「知りもしないのに悪口ばかりなのはどうなのか」と、日本海を渡った。

 今はゲストハウスに5人で共同生活をする。お金がないので毎日2時間の清掃の代わりに、家賃なしで暮らせている。「日本にいるより刺激になる」と言い切った。

 韓国の友人から「日本は日本で全てが完結するから、英語を勉強しないんだよ」と言われ刺激を受けた。筒井さんは「韓国では若者も、自分たちが国をつくっている一部という意識がある」と感じている。将来は他国への留学も視野に入れている。

 20年東京五輪テーマの1つが異なる人種、民族、性差などを受け入れる「ダイバーシティ(多様性)」。筒井さんのような考え方を持つチャンスでもある。【三須一紀】

最終更新:2/14(水) 11:17
日刊スポーツ