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ジュニア世代育てメダル常連国に/平昌五輪スキー距離監督・蛯沢さん

2/14(水) 13:26配信

Web東奥

 平昌冬季五輪のスキー距離競技で、代表監督の蛯沢克仁さん(45)=青森県東北町出身=は現地で指揮を執る一方、視界は既にその先も捉える。平昌が1年後に迫る2016年12月、全日本スキー連盟で距離の現場トップに当たる距離部長に就任。ジュニア世代のてこ入れなど、「平昌後」を見据えた計画を並行して進めてきた。距離で日本人未到のメダルへ。蛯沢さんはさらに先を見つめ、「メダルを取り続けられる環境をつくる」と青写真を描く。

 10、11日の距離複合。女子の石田正子(37)=JR北海道=は14位、男子の吉田圭伸(31)=自衛隊=は25位。蛯沢さんはレース中、自ら予備のスキーを担いでコース内を巡り、給水するなど精力的に選手のサポートに回った。

 「ワックスや道具、走りのフォームまで、全てがファッションのように常にマイナーチェンジしている」と蛯沢さん。強豪国の変化を見逃すまいと、監督の立場になっても現場に出る。

 東奥義塾高-中大出。選手としての五輪は3大会連続で経験した。長野(1998年)のリレーで7位入賞したが、現役時代にメダルには届かなかった。

 競技の第一線を離れ、ジュニア日本代表のコーチだった16年秋。当時の全日本スキー連盟競技本部長・成田収平さん(53)=旧相馬村(現弘前市)出身=が、距離部長への就任を蛯沢さんに打診したという。

 成田さんはメダルのない距離のてこ入れを図ろうと、世界を知る蛯沢さんに白羽の矢を立てた。「クロスカントリーも絶対にメダルを取れる。だからやろう」。蛯沢さんに、電話でそう伝えたという。

 蛯沢さんは、ジュニア世代からもっと国外で経験を積ませたい、と考える。「ジュニアで活躍しても、その後に『世界の壁』にぶつかり、一時低迷する選手が少なくない」と思うからだ。今季は合宿など、ジュニア世代を海外に派遣する機会を増やしたという。

 11日の男子複合は前半、風の強い悪条件にもかかわらずハイペースで進んだ。国内のレースではめったに起きないレース展開。世界への対応力という課題を平昌でも痛感した。蛯沢さんは「勝負する場所は世界だから、海外にいる時間を多くしてあげたい」と言う。

 メダル獲得は悲願だが、ゴールではない。成田さんは取材に「北京冬季五輪(2022年)も一つの通過点。メダルを取り続けるための確固たる土台づくりを彼に期待する」と語る。

 目標は高いが、蛯沢さんに焦りはない。「時間はかかるが、早い段階で目標までの線を引き、北京で手応えをつかみ、軌道に乗せたい」。日本がメダルの常連国となることを夢見て。

東奥日報社

最終更新:2/14(水) 13:40
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