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中国でW主演映画メガヒット 福山雅治が“高倉健”になる日

2/15(木) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 福山雅治(49)とチャン・ハンユー(53)の日中スターがダブル主演した映画「マンハント」(公開中)の評判が上々だ。上映されたベネチア国際映画祭では「久々のジョン・ウー監督らしい娯楽作」と海外メディアが絶賛。中国でも大ヒットとなっている。

 西村寿行の小説「君よ憤怒の河を渉れ」を「M:I―2」「レッドクリフ」シリーズなどで知られるヒットメーカー、ジョン・ウー監督が実写化。オール日本ロケで描かれる壮絶な追跡アクションで、福山は何者かに殺人事件の濡れ衣を着せられる弁護士(チャン・ハンユー)を執拗に追う敏腕刑事を演じている。映画批評家の前田有一氏はこういう。

「近年では『三度目の殺人』など本格的な映画俳優としての活躍が目立ちますが、本作でもターミネーターのような底知れぬ迫力を感じさせる“追跡者”の役作りがハマっています。ジョン・ウー監督の現場は当日まで予定がコロコロ変わり、台本はあってなかったようなモノだったそうですが、そんな難しい環境にも果敢に挑み、日本俳優としての存在感を示したといえるでしょう」

 原作はかつて76年に佐藤純弥監督が「君よ憤怒の河を渉れ」のタイトルで映画化。中国では文革後初めて公開された外国映画として、歴史的な大ヒットとなった。当時の中国の人口は約9億人だが、延べ8億人が見たというから凄まじい。主演の高倉健は国民的大スターとなり、世界的巨匠のチャン・イーモウはじめ、映画関係者の間にも多くの信奉者を生み出した。

「ある世代以上の中国人にとっては、親日感情の根源と言っても過言ではないほど多大な影響を与えた作品といえます。本作主演のチャン・ハンユーは『君よ~』を少年時代に見て俳優を志したというし、1946年生まれのジョン・ウーも影響を受けたひとりでしょう。76年版のテーマ曲を主人公が口ずさむなどオマージュとオリジナル愛にあふれているし、二丁拳銃やスローモーション、白いハトといった自らのトレードマークもこれまで以上に派手に投入しています」(前出の前田有一氏)

 中国でのヒットは「君よ憤怒の河を渉れ」の神通力が現在でも健在という証しだろう。日本では9日に公開になり、興行ランキングでは初登場4位。人口もスクリーン数もケタ違いなだけに単純比較はできないが、どこまで“本場”に迫れるか見モノである。