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渡部暁、2大会連続の銀「ホッとしたのが半分、悔しさ半分」/複合

2/15(木) 7:00配信

サンケイスポーツ

 平昌五輪第6日(14日、アルペンシア・ジャンプセンター-アルペンシア距離センター)渡部暁斗(29)=北野建設=が2大会連続の銀メダルを獲得した。前半飛躍(ヒルサイズ=HS109メートル)で3位につけ、トップと28秒差でスタートした後半距離(10キロ)では中盤までに先頭を捉えて優勝争いに加わったものの、ゴール手前の上りで引き離された。エリック・フレンツェル(29)=ドイツ=が前半の5位から逆転で五輪2連覇を果たした。

 4年前と同じ光景だ。渡部暁がフレンツェルに続く2位でゴール。4秒8差。それでも右手を挙げて、声援に応えた。

 「素直にうれしい。(相手と)走力の差はあるので、あの展開になったら厳しい。完敗かな」

 前半飛躍で3位。絶好の位置だ。2・5キロのコースを4周する後半距離は、先頭から28秒差でスタート。氷点下1度で強風が吹き荒れる中、ぐいぐい前を追った。

 4キロ付近でフレンツェルらと5人の集団を形成。1人が脱落し、4人で牽制(けんせい)しあう展開が続いた後、勝負のタイミングは最終盤にきた。フレンツェルと2人で抜け出した最後の上り坂。ライバルは一気に加速し、渡部暁は追いきれなかった。

 ソチ五輪のノーマルヒル(NH)で銀メダル。世界選手権でも最高は17年のラージヒル(LH)で銀。W杯総合成績では過去6季で2位3度、3位3度。「暁斗はシルバーコレクターだな」。いつしか周囲からこう言われるようになり、「2位という数字は見飽きた」と自虐的に振り返る。

 だからこそこの4年間、五輪金メダルにこだわってきた。複合団体で五輪2連覇を果たし、現在は北野建設スキー部ゼネラルマネジャー、荻原健司氏(48)からの「常にチャンピオンとしての心構えを忘れるな」という教えを心に刻む。トイレでも3つ並んでいれば必ず真ん中の便座を使うほど徹底してきた。

 苦手の距離では瞬発力の向上に努め、ジャンプの飛び出しも改善。今季W杯で5勝を挙げ、総合1位で平昌に乗り込んだ。複合個人では日本勢で初めて2つ目のメダルを獲得。だが金には一歩及ばなかった。

 「ホッとしているというのが半分と、悔しさが半分。1度取ったことがあるものを取っただけ」

 まだ20日のLHがある。金メダルなら五輪複合個人では日本初。次こそシルバーコレクターの称号を返上する。