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【スピードスケート個人W表彰台(1)】銀・小平奈緒 オランダで植えつけられた金メンタル「お辞儀禁止」

2/15(木) 16:41配信

東スポWeb

【韓国・江陵14日発】メダルの裏に“勝者のメンタリティー”あり。平昌五輪スピードスケート女子1000メートルで世界記録保持者の小平奈緒(31=相沢病院)が1分13秒82で2位に入り、銀メダルに輝いた。自身初の個人メダルを手にした日本のエースは王国で学んだ「教訓」を生かし、500メートル(18日)で悲願の金メダルを狙う。高木美帆(23=日体大助手)も1分13秒98で3位に食い込み、1500メートルに続く今大会2つ目のメダル獲得。個人種目で日本女子が同時に表彰台に立つのは夏冬を通じて、史上初の快挙となった。

 金メダルを逃しても、小平は笑顔だった。「順位やメダルより、目の前にある白い氷ときれいなリンクを自分のものにしようと思っていた。最後まで自分らしく滑れたと思う」。高地で出した世界記録(1分12秒09)には当然及ばなかったが、低地では自己ベストのタイム。力を出し切っての銀メダルだ。

 スタートは不利とされるアウトから。それでも、600メートルまでは3組前に五輪新記録で滑ったヨリン・テルモルス(28=オランダ)のタイムを上回った。ラスト400メートルは29秒27。500メートルを本職とするスプリンターにとってはやむを得ない程度の失速だった。大学時代から小平を指導する結城匡啓コーチ(52)も「内容的には100点満点。このリンクで五輪新(のテルモルス)は立派だなと思ってます」とレースを振り返った。

 8年前、初出場のバンクーバー五輪で団体追い抜き(パシュート)の銀メダルを獲得した小平にとって、個人種目でのメダル獲得は悲願だった。前回のソチ五輪では500メートル5位、1000メートル13位。今大会でもここまで男女の金メダルを独占している“スピード王国”オランダへの留学に活路を見いだした。

 成長したのは技術以上に精神面だったという。小平がその意義を明かす。

「日本人はあいさつするとき、頭を下げるけど、それをするなと(オランダの)コーチに言われました。『勝てなかった時でも、勝者のように振る舞え』と。一番のカルチャーショックだったけど、そうしていることで自信が持てるようになった」

 この日のレース後、客席からの声援に「もう30歳を過ぎたのに、いつまでも『奈緒ちゃん』なんだなと感じた」と苦笑いだったが、実際はもう昔の奈緒ちゃんではない。4年間で別人のように強い“勝者のメンタリティー”を身につけた。

 2冠の夢はついえたが、本命種目の500メートルを残す。「1000メートルの3位以内は500メートルで金メダルを取るための方程式に乗っていると思う。まだチャレンジできる舞台があるんで、そこに向けて準備したい」

 ここまで他の競技などを見て感じたのは「五輪は強い人がやっぱり強い」。国内外で24連勝中の500メートルの小平は間違いなくそのメンタルともども「強い人」だ。銅メダルの高木美とは健闘をたたえ合うとともに、それぞれの残り種目での金メダルを誓った。

 順番は小平の500メートルが先。ひと足先に8歳下のライバルとの約束を果たす。

【プロフィル】こだいら・なお 1986年5月26日生まれ。長野県出身。スピードスケート女子1000メートルの世界記録保持者。2010年バンクーバー五輪の団体追い抜き銀メダル。今大会は1500メートルで6位。得意の500メートルは昨季から国内外で無敗。165センチ、60キロ。

最終更新:2/15(木) 16:41
東スポWeb