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高校指導要領改定案 高校教育刷新の大転換

2/15(木) 7:55配信

産経新聞

 大幅改定となる高校学習指導要領案で、とりわけ注目されるのが地理歴史科の新設必修科目「歴史総合」だ。近現代を通史として扱う世界史Aと日本史Aに替わり、近現代の世界とその中の日本を相互的に捉えて学ぶ初の歴史科目であり、高校歴史教育を刷新する大転換といえる。

 改革までには曲折があった。小中学校で日本史を中心に学習するため、高校では国際化への対応などとして、平成元年改定で世界史が必修となったが、世界史より日本史を大学入試で選択する生徒が多い学校現場では異論が強く、日本史必修化論が台頭。21年改定で見送られて以降、識者や関係団体などから世界史と日本史を融合的に学習する案が相次ぎ、28年の中央教育審議会答申で、歴史総合が盛り込まれた。

 注意すべきは、歴史総合が世界史と日本史の必修化論争の単なる折衷案ではなく、世界史Aと日本史Aとの融合型とも似て非なる科目である点だ。新科目の狙いは近現代の大きな社会変革をテーマに、一方からの視点ではなく、生徒自らが主体的に考えて、世界と日本との関連性を学び、多面的・多角的な見方を身につけることにある。現行の歴史教育が各国史別の縦割り型とすれば、歴史総合は各国史を束ねて輪切りにし、その面を考察するイメージだ。

 ただ、課題は山積しており、歴史教育の大転換を支える教科書作成では「書ける執筆者は多くない」(業界関係者)とされ、教員研修も不可欠だ。

 歴史総合を含め「主体的で深い学び」を基調とする約10年ぶりの改定。新設科目を単なる看板の掛け替えに終わらせないためにも、学校現場や教科書会社に改定の趣旨や意義を浸透させる文部科学省の本気度が問われる。(花房壮)

最終更新:2/15(木) 7:55
産経新聞